連載:第18回 組織作り その要諦
個人の働き方改革をしながら……企業が強い組織を作るには【法政大・田中研之輔教授】
「人生100年時代」と言われるなか、ミレニアル世代の「働く」ことへの意識も変化しつつあります。企業はそれをキャッチアップしながら人材の採用や育成、定着の施策を行い、そしてイノベーションを起こしていかなければなりません。法政大学大学院キャリアデザイン学研究科教授田中研之輔さんに、個人の働き方に対する意識の変化と、これからの企業組織の在り方について伺いました。田中さんは『丼家の経営: 24時間営業の組織エスノグラフィー』(法律文化社刊)という本で、吉野家、すき家、松屋などの牛丼屋を実際に調査。 「同じような立地で、店舗の人数や提供する商品は一緒なのに、売り上げを伸ばす店舗と落ちる店舗が顕著に出ておりその違いに、経営の本質が隠れている」と指摘する気鋭の学者です。強い組織を作るためには何が必要なのでしょうか。
――働き方に関して大きな変化が起きている昨今ですが、個人の働き方に対する意識はどう変化しているのでしょうか?
田中研之輔さん(以下、田中): 今、大きな歴史的転換期を迎えています。「人生100年時代」という言葉に象徴されるように、私たちは50年~70年とより長いスパンで働くようになります。終身雇用は崩壊したと言われるなか「自分のキャリアをどう培っていくか」を考える人も増えてきました。ただし、場合によっては組織よりも長く働くというベンチマークになるキャリアモデルはまだ少ないのが現状です……。
意識の変化が顕著なのが大学生です。2000年代の大学生は「働くってなんだろう?」と働き方について、あまりイメージを持てていなかったように思います。しかし、 現在の大学生は「どうやって働いていくか」「ビジネスマンたちはどんな風につまずいているのか」というリアルを切に知りたがっています。
背景には、大学生にとっても働くことが身近になっている点もあると思います。2000年代は10%台だったインターンシップの参加率は今や50%を超えています。彼らは「少子高齢化時代」に生まれ育ってきたので、社会を支える一人として「長く働く」ことを意識しています。そして、 「不安定な世の中だから、一社に勤め上げることはないかもしれない」や「社会貢献できるポジションにつきたい」と考えている。 だからこそ、「働くこと」の生々しい情報に触れたいと思っているのです。
プロティアンキャリア、時間軸も含めて個人のキャリアに寄り添う
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