連載:第85回 組織作り その要諦
「残業ゼロにすれば業績が伸びる」を証明した超ホワイト企業。リーダーに聞く組織改革の絶対条件
残業時間は100時間超え、人を採用してもどんどん辞めていく…。そんな悪循環を断ち切り、残業ゼロを12年間継続。会社の売上・従業員数ともに2倍、人が辞めない企業へと成長したのが、株式会社アクシアです。代表の米村歩さんは、「残業ゼロは業務効率化だけでは実現できない」と断言します。同社が “超”ホワイト企業に変わるために必要だったものとは何なのか。また、12年にもわたり残業ゼロを継続できているその秘訣とは?詳しく伺いました。
残業100時間超えのブラック企業が、残業ゼロの超ホワイト企業になれた理由
――貴社は12年に渡り「残業ゼロ」を継続されているそうですね。米村社長のSNSやブログでの発信もあり、多くの注目を集めています。
米村歩さん(以下、米村): はい。それまでの当社は、いわゆる典型的なブラック企業のような働き方でした。休日出勤も当たり前、労働時間は300時間、残業時間は100時間オーバーという月もあったほどです。そんな環境のため、離職率は非常に高く、社員が入社しても1年以内にどんどん辞めていく状況で…。
また、何か問題が起きても「これだけ毎日遅くまで働いているのだから仕方ない」といった言い訳文化が根付いていました。会社としても残業をさせている後ろめたさもあり強く言えない…。正直、社内のモラルは低い状態だったと思います。
そんな組織でしたが、2012年10月 「今日から残業ゼロにします」 と全社に宣言。その日からずっと、残業ゼロを実現しています。
この12年間で、売上は2倍以上に成長しました。課題だった離職率についても、今は大幅に低下していて、年に1人くらいのレベルです。離職率の改善により人が集まる企業に変わり、社員数は現在20名弱で倍になりました。採用コストの削減にも寄与していますし、残業ゼロによって利益率も高水準を達成しています。
――ブラック企業のような働き方をしていた貴社が、なぜ突然「残業ゼロ」を実現できたのでしょうか?
米村: 実は2009年頃から、労働環境を改善するためのさまざまな取り組みを行ってきました。長時間労働が横行し、人が入ってもすぐ辞めてしまう状態への課題感は、ずいぶん前から持っていたんです。
たとえば、「毎日1時間はやく帰れるようにしましょう。そのために業務効率化をしていきましょう」と呼びかけるなど、できることをいろいろ試してみて、成功した部分もありました。しかし、どれも長続きしない…。次第に元の働き方へと戻ってしまうんです。
今だから言えるのは、 業務効率化だけでは残業ゼロは絶対に実現できない ということ。2012年10月から取り組んだ「残業ゼロ」は、それまでの取り組みと確実に異なるものが1つありました。今振り返ると、それこそが組織改革を成功させるために必要な唯一の条件ではないかと考えています。
――それは一体なんでしょうか?
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