連載:第38回 総合 2020年1月~3月
今後10年間に起きる「第四次産業革命」の波、日本の経営者と世界の経営者の認識に大きなギャップ
蒸気機関による工場の機械化という「第1次産業革命」、電力を用いた大量生産である「第2次産業革命」、電子工学や情報技術を用いた「第3次産業革命」に続いて、インターネット/AI/IoT/ビッグデータの活用による「第4次産業革命」に期待が寄せられています。そんな時代を前に、経営者の意識はどのように変化するか? デロイト トーマツ グループは調査を実施しました。
第四次産業革命に対し、グローバルは「社会的価値」を、日本は「経済的価値」を求めている
2030年を区切りに世界中で進展すると見られる「第4次産業革命」。内閣府は白書などにおいて、第4次産業革命を、「狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会に続く 超スマート社会 (Society 5.0)を実現するもの」と捉えています。 https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html
そのような時代背景を受け、「第四次産業革命への投資から望む成果」について経営者に聞くと、「収益拡大」がグローバル・日本でともにトップ。次いで「顧客との関係強化」という声があがっています。
グローバルと日本の数値を比較すると、「ポジティブな社会影響力増大」がグローバルでは55%なのに対し日本は36%、「優秀な人材の獲得と定着」がグローバルでは31%なのに対し日本は1%と差を見せています。日本の経営者にとって第4次産業革命は、社会的な価値より「収益拡大」「生産性・効率性向上」「社内/業務コスト削減」といった経済的な価値に留まっているようです。
日本は、社会課題を収益創出の事業機会と捉えていない
そこであらためて経営者に「もっとも注力・対応している社会課題」を聞くと、「資源不足」(日本82%、グローバル:61%)、「気候変動・環境持続性」(日本:84%、グローバル:54%)が上位。とくに日本は「サプライチェーン関連」「所得不均衡/富野分配」「移民/難民」などは低く、この2つに回答が集中しています。
ただし「社会課題解決の取り組みに注力する理由」を聞くと、グローバルは「収益創出」を42%あげているのに対して、日本はわずか1%。従業員や外部ステークホルダーなど、直接的な利害関係を重視しており、「その他」「取り組みをしていない」もグローバルより高い数字を見せています。これに対し調査レポートは「日本は、社会課題を収益創出の事業機会と捉えていない」と指摘しています。
調査方法
調査概要:「増税」に関する意識調査
調査期間:2019年7月~9月
調査方法:インターネット調査
調査対象:アメリカ、アジア、ヨーロッパの19カ国において、年間売上高5億米ドル以上の大手企業の経営者(CEO、社長、CFO等の上級役員クラス)
調査人数:2,029名(そのうち日本は146名)
調査協力:KS&R Inc.
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000262.000000202.html
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