手当
給与における諸手当とは、時間外手当などを除き、その支給は各企業の裁量に任されています。しかしながら、いったん支給するとなれば、基本給とともに給与の一部となり、見直すには一定の手続きが求められます。また、手当には所得税が課税されないものや社会保険料の計算に含まれないものなどもあり、企業担当者はこれらについて十分な理解が必要です。
手当とは
給与における諸手当には、労働基準法によりその支給が定められている時間外手当のような割増賃金や、各企業の裁量で支給されている役職手当、資格手当、皆勤手当、家族手当、住宅手当、通勤手当などがあります。一般的に、正社員の給与は、基本給とこの各種手当で構成されています。
基本給との違い
基本給は、社員毎に定められた給与の根幹となる部分であり、その額が固定的に支給されるものです。年功序列が重視された時代は、各社員の能力にかかわらず毎年、自動的に昇給させることが一般的でしたが、最近では、各社員の能力や成果などをより重視する傾向にあります。
一方、各種手当は、一部(食事手当など)を除き、各手当特有の支給要件に合致する社員に対して支給されるものです。このため、時間外手当などの割増賃金の計算においては公平性を期すため、個人的事情に基づいて支給される家族手当や通勤手当、住宅手当などは、1時間当たりの賃金算出の基になる給与の額には参入しないことが労働基準法などにより定められていますし、
各企業における賞与や退職金などの計算においても、基本給をベースにしていることが多く、手当は基本給と比べ、あくまで付加的に支給されているものとして整理されているものであると言えます。
【参考】割増賃金の基礎となる賃金とは?/厚生労働省
【参考】労働基準法第37条第5項/電子政府の総合窓口e-Gov〔イーガブ〕
【参考】労働基準法施行規則第21条/電子政府の総合窓口e-Gov〔イーガブ〕
手当の種類
主な手当として、まずは、時間外労働などに関する法定の手当(割増賃金)が挙げられますが、企業の裁量により支給される法定外の手当は、大まかに、業務に関するものと、生活補助に関するものに分けられます。