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源泉徴収

2019年11月21日(木)更新

源泉徴収とは、給与などを支払う者が支払いの際に所得税を差し引き、支払いを受け取る者に代わって納税する制度です。これは法律に定められたものであり、漏れがあると延滞税などを納めなければなりません。企業の支払い担当者は、どのような支払いに源泉徴収の義務があるのか、また、その計算方法や納付手続きなどを十分に理解しておかなければなりません。本記事では源泉徴収のしくみをはじめ、源泉徴収税の計算方法や納付方法などを詳しく解説していきます。

源泉徴収とは

源泉徴収とは、会社や個人などが雇用する者に給与や賞与、退職金を支払う際、また、そのほか対象となる支払いをする際にあらかじめ所得税を差し引いて、支払いを受ける者に代わって国に納付する制度のことを言います。

まずは、この制度の概要や導入された経緯、また、源泉徴収の対象となる支払いにはどのようなものがあるのかなどについて説明します。

源泉徴収制度の概要

源泉徴収制度を会社と従業員、国の関係でまとめると次のようになります。

従業員という立場でなければ、確定申告という手続きによって自身で所得税額を申告し、国に納付しなければなりませんが、会社には源泉徴収義務があるため、会社があらかじめ支払う給与などから所得税を差し引いて従業員に代わって国に納付しています。

源泉徴収税額の計算方法や納付方法などについては、このあと詳しく説明していますが、一連の流れについて簡単にまとめると次のとおりになります。

  1. 従業員に支払う毎月の給与や賞与、退職金の源泉徴収税額を計算し、その額を控除する
  2. 控除した源泉徴収税額は、原則として支払い月の翌月10日までに国に納付
  3. 年末調整で、源泉徴収税額を精算+従業員に源泉徴収票を交付
  4. 法定調書や給与支払報告書を作成し、税務署と市区町村に提出

なお、会社を設立して新たに給与支払事務所となった場合には、1か月以内に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を税務署に提出したうえで、上記の手続きに入ることになります。

【参考】[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出/国税庁

源泉徴収の対象になる支払い

源泉徴収の対象となるのは会社が従業員に支払う給与や賞与、退職金だけではありません。

源泉徴収の対象となる支払い、また、源泉徴収義務者をまとめると、次のようになります。

給与等

  • 源泉徴収の対象:企業が雇用している従業員に対し給与や賞与、退職金を支払う場合
  • 源泉徴収義務者:支払者である会社や個人事業主など

なお、給与の場合、その従業員が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しており、月額88,000円(社会保険料等控除後の額)未満である場合には、源泉徴収する必要はありません。同申告書を提出していないか、月額88,000円以上であるときは、源泉徴収の対象になります。

個人に対する報酬・料金等

  • 源泉徴収の対象:業務委託契約をはじめとした、個人に支払う報酬・料金など
  • 源泉徴収義務者:支払者である会社や個人事業主など

対象となる報酬・料金には次のようなものがあります。

  • 弁護士、公認会計士、司法書士などの特定資格者に支払う報酬
  • カメラマンに支払う撮影料
  • デザイナーに支払うデザイン料
  • ライターなどに支払う原稿料
  • 各種専門家に支払う講演料

なお、法人に対する支払いでも一部源泉徴収が必要なもの(馬主への競馬の賞金の支払い)がありますが、基本的には個人への支払いが対象になります。

弁護士や税理士などへの支払いは、相手方が弁護士法人や税理士法人である場合には源泉徴収する必要はありません。

利息・配当

  • 源泉徴収の対象:銀行が預貯金をしている者に利息を支払う場合、また、会社が株主に配当金を支払う場合
  • 源泉徴収義務者:支払い者である銀行や会社

年金

  • 源泉徴収の対象:国が被保険者に公的年金(老齢年金が対象で、遺族年金や障害年金は非課税)を支払う場合や、保険会社などが被保険者に個人年金を支払う場合
  • 源泉徴収義務者:支払い者である国や保険会社など

なお、次のような個人は源泉徴収義務者にはなりません。

  • 常時2人以下の家事使用人だけに給与などを支払っている個人
  • 給与などの支払いがなく、弁護士などに報酬・料金を支払っている個人

【参考】No.2502 源泉徴収義務者とは/国税庁
【参考】第5 報酬・料金等の源泉徴収事務/国税庁

源泉徴収税の計算方法

上記で説明した源泉徴収義務者は、対象となる各支払いについて源泉徴収税(源泉所得税)を計算し、支払い額から差し引かなければなりません。

源泉徴収税の計算方法は支払い内容によって異なりますが、ここでは、会社員にとって身近なものである給与や賞与、退職金、また、主な報酬や料金について説明します。

なお、2013年1月1日から2037年12月31日までの間に生じるすべての所得については、所得税に加えて東日本大震災からの復興財源とする復興特別所得税(源泉徴収税額の2.1%)も納めなければならないことになっており、源泉徴収税の計算に用いる税率もこの復興特別所得税が含まれたものになっています。

給与

給与の源泉徴収税額は、従業員ごとに支給額から社会保険料を差し引いた額と扶養者の数などを確認し、所得税法で定められている「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめることで求められます。具体的には次のとおりです。

  1. 月の総支給額から非課税となる通勤手当(※)などの額と、健康保険料(介護保険料を含む)・厚生年金保険料・雇用保険料を差し引く
    ※公共交通機関を利用している場合には1月当たり15万円までは非課税
  2. ①の額と扶養親族(※)の人数を「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめて源泉徴収税額を確認
    ※「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載のある一定の要件を満たす配偶者や親族

なお、①で求めた額が88,000円未満であり、その者が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している場合には源泉徴収する必要はありません。同申告書を提出していないか、88,000円以上であるときに源泉徴収の対象となります。

例えば、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が300,000円で、「扶養親族等の数」が2人である場合の源泉徴収税額は、次のとおり5,130円になります。

【給与所得の源泉徴収税額表(月額表)の見方】

【国税庁】給与所得の源泉徴収税額の求め方の情報を元に作成

なお、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」には、上の表のとおり「甲」欄と「乙」欄があり、ここでは「甲」欄で説明しましたが、「乙」欄は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出していない従業員について確認する欄になります。
※複数の会社に勤務する者は他社(主たる会社)に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していることもあり、各所得控除はそちらで行われることになります。

また、ここでは「給与所得の源泉徴収税額表」の月額表で説明しましたが、給与を働いたその日ごとに支払う場合や週ごとに支払う場合には、月額表ではなく日額表という別表で確認することになります。

【参考】平成31年(2019年)分 源泉徴収税額表/国税庁

給与計算ソフト等を使用する場合

上記では、源泉徴収税額表を用いて税額を確認する原則的な方法について説明しましたが、従業員の数が多ければ、その確認にはかなりの時間を要することになります。

そこで、給与計算ソフトなどで給与や一定の場合の賞与を計算する場合には、先に説明した源泉徴収税額表の月額表「甲」欄を適用する場合に限り、社会保険料控除後の給与額、配偶者控除額、扶養控除額などから機械的に税額を計算する方法も認められています。

具体的な計算方法は、国税庁のホームページで確認できますが、多くの給与計算ソフトでは計算式が組み込まれているため、設定は不要です。(源泉徴収税額表が組み込まれている給与計算ソフトもあります)

なお、この方法で計算した税額と、源泉徴収税額表を用いて確認した税額とでは多少の誤差は出ますが、どちらの場合でも年末調整を行うことになるため、問題にはなりません。

【参考】月額表の甲欄を適用する給与等に対する税額の電算機計算の特例について/国税庁

【関連】給与計算とは?計算方法、効率化のやり方をまとめて紹介 / BizHint

賞与

賞与の源泉徴収税額は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」というものを用いて計算することになりますが、少し複雑になります。具体的には次のとおりです。

  1. 賞与を支給する前月の給与の総支給額から、非課税となる通勤手当などの額と、健康保険料(介護保険料を含む)・厚生年金保険料・雇用保険料を差し引く
  2. 賞与の総支給額から、非課税となる通勤手当などの額と、健康保険料(介護保険料を含む)・厚生年金保険料・雇用保険料を差し引く
  3. ①の額と扶養親族の人数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて、「賞与の金額に乗ずべき率」を求める
  4. ②×③で源泉徴収税額を算出

例えば、「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が300,000円で、「扶養親族等の数」が2人である場合の源泉徴収税額は、次のとおり、「賞与の金額に乗ずべき率」の4.084を社会保険料控除後の賞与額に乗じた額になります。

【賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の見方】

【国税庁】給与所得の源泉徴収税額の求め方の情報を元に作成

なお、賞与支給月の前月に給与の支払いがない場合や、社会保険料控除後の賞与額が前月の社会保険料控除後の給与額の10倍を超える場合には、給与の源泉徴収税額と同様に「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を用いて計算することとされています。

前述の給与計算ソフトなどによる機械的な計算が認められるのはこの場合のみです。

【参考】No.2523 賞与に対する源泉徴収/国税庁
【参考】平成31年(2019年)分 源泉徴収税額表/国税庁

【関連】賞与とは?定義や計算法、社会保険料などの算出法、手続きについて解説 / BizHint

退職金

退職金の源泉徴収税額は、給与や賞与と違って、勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いて計算しなければなりません。具体的には次のとおりです。

  1. 退職金の総支給額から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引く(下記「退職所得控除額の計算表」参照)
  2. ①×1/2
    ※役員としての勤続年数が5年以下で、役員の立場で受け取る退職金については2分の1を乗じません
  3. ②の額を下記「退職所得の源泉徴収税額の速算表」の一番左のAに当てはめて、税額を計算

【退職所得控除額の計算表】

【出典】【国税庁】No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

【退職所得の源泉徴収税額の速算表】

【出典】【国税庁】別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表

なお、前年以前に退職金を受けている場合で、本年に受ける退職金の対象勤続年数と重複期間がある場合には、別の計算方法によることになります。詳細については、国税庁のホームページでご確認ください。

【参考】No.2732 退職手当等に対する源泉徴収/国税庁

【関連】退職金制度とは?種類や相場、設計方法や導入までの流れをご紹介 / BizHint

報酬・料金

報酬や料金の源泉徴収税額は、業務内容に応じて定められた計算式によって求められます。

日本国内の居住者に対して支払う報酬や料金で主なものの計算方法は次のとおりです。

業務内容 計算方法
弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士、弁理士などの業務に関するもの 源泉徴収税額=支払金額×10.21%
ただし、同一人に対して1回に支払う金額が100万円を超える場合には、その100万円を超える部分については、20.42%
司法書士、土地家屋調査士、海事代理士の業務に関するもの 源泉徴収税額=(支払金額-1万円)×10.21%
外交員、集金人、電力量計の検針人の業務に関するもの 源泉徴収税額=〔その月中の報酬・料金-(12万円-その月中の給与等の額)〕×10.21%
原稿料、デザイン料、著作権の使用料、講演料、翻訳料、通訳料など 源泉徴収税額=支払金額×10.21%
ただし、同一人に対して1回に支払う金額が100万円を超える場合には、その100万円を超える部分については、20.42%

なお、上記の計算に用いる支払金額は、原則として消費税込みの額とされていますが、支払い先からの請求書に、報酬や料金の額と消費税の額とが明確に区分されている場合には、消費税の額を除いた報酬や料金の額のみを源泉徴収の対象としてもよいこととされています。

【参考】第4 報酬・料金等の源泉徴収事務/国税庁
【参考】No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税/国税庁

源泉徴収税の納付方法

源泉徴収税は、給与などを支払った月の翌月10日までに金融機関などで納付することが原則ですが、小規模な事業者であれば、6か月ごとの年2回の納付にすることもできます。

これらの納期限に間に合わなかった場合には、延滞税などを課せられる場合がありますので、注意が必要です。

原則的な納付方法

源泉徴収税は、原則として、給与や賞与、退職金、また、報酬や料金などの支払い月の翌月10日(土曜日、日曜日または祝日、休日の場合には翌営業日)までに、納付書になる「所得税徴収高計算書」(用紙は税務署で入手可)を作成して、金融機関や税務署で納付することになっています。

一定の手続きを行えば、国税電子申告・納税システムであるe-Tax(イータックス)でも納付可能です。

【参考】e-Tax 国税電子申告・納税システム:電子納税をご利用の方/国税庁

納期の特例による方法

源泉徴収税は、原則として毎月納付になりますが、給与の支払いを受ける従業員の人数が常時10人未満の場合には、従業員に支払う給与や賞与、退職手当、また、弁護士や税理士などへの報酬や料金に関する源泉徴収税について、申請により年2回の納付にすることができます。

  • 1月から6月までに支払った給与などの源泉徴収税:7月10日までに納付
  • 7月から12月までに支払った給与などの源泉徴収税:翌年1月20日までに納付

なお、報酬や料金については、すべてが対象になるのではなく、弁護士や税理士、司法書士などの士業者へ支払うもののみが対象です。

【参考】No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例/国税庁

納付期限に間に合わなかった場合

上記の原則としての納付期限あるいは特例としての納付期限までに源泉徴収税を納付しなかった場合には、次の不納付加算税というものや延滞税を別に納付しなければならない場合があります。

不納付加算税

源泉徴収税の納付が納付期限から1日でも遅れれば、原則として「不納付加算税」というものを納付しなければなりません。この額は自主的に納付したのか、税務署の指摘によって納付したのかによって以下のような整理になります。

  • 自主的に納付した場合
    不納付加算税=納付すべき源泉徴収税額×5%
  • 税務署からの通知を受けて納付した場合
    不納付加算税=納付すべき源泉徴収税額×10%

ただし納付が遅れても、過去1年以内に同様のことがなく、かつ納付期限から1か月以内に納付する場合、また、不納付加算税の額が5,000円未満である場合には、原則として免除になります。

【参考】国税通則法第67条、第119条第4項/電子政府の総合窓口e-Gov〔イーガブ〕

延滞税

不納付加算税のほかにも、納付期限を経過する日ごとに加算される延滞税も納付しなければなりません。この額は納付期限から2か月を経過しているか否かによって以下のような整理になります。

  • 納付期限の翌日から2か月を経過する日までに納付した場合
    延滞税=納付すべき源泉徴収税額×7.3%(原則)×延滞日数/365日
  • 納付期限の翌日から2か月を経過した日以後に納付した場合
    延滞税=「納付すべき源泉徴収税額×7.3%(原則)×2か月を経過する日までの延滞日数/365日」+「納付すべき源泉徴収税額×14.6%(原則)×2か月を経過した日以後の延滞日数/365日」

ただし、本来納付すべき源泉徴収税の額が10,000円未満である場合や延滞税の額が1,000円未満である場合には、原則として免除になります。

なお、上記の延滞税率は、毎年、国内銀行の平均金利などを踏まえて求めた率(特例基準割合と言います。)と比較し、どちらか低い率が適用されることになっています。適用される延滞税率についは、国税庁のホームページでご確認ください。

【参考】No.9205 延滞税について/国税庁

年末調整と確定申告

源泉徴収制度においては、給与などから差し引いた源泉徴収税を月ごとに納付することで手続きが完了するわけではありません。

源泉徴収を行っている会社では年末調整が必要になり、取引先の会社から、源泉徴収された報酬や料金を受け取っている者は確定申告が必要になります。

年末調整

会社などが、給与や賞与から差し引いて納付した源泉徴収税はあくまで仮のものであり、年末に必ず再計算が必要になります。

理由としては、源泉徴収税額表で整理された税額は、一定範囲の給与額で整理されたものであり正確なものではないこと、また、年の途中で扶養親族の数に変更があっても月を遡って税額を修正しないこと、生命保険料控除などは年末にしか反映できないことなどが挙げられます。

年末調整とは、これらを精算するためのものであり、12月の給与が確定した段階で、従業員ごとにこれまでの源泉徴収税額と、各所得控除を踏まえて再計算した税額とを比較して、源泉徴収税額が上回る場合には従業員に還付し、下回る場合には従業員から不足分を徴収します。

【関連】【企業向け】年末調整とは?対象者やスケジュール、計算方法などわかりやすく解説 / BizHint

確定申告

確定申告とは、原則として、会社員でない者が、2月中旬から3月中旬までの間に税務署に前年の所得金額を申告し、それに対応する所得税を納付することです。会社員でも一定の要件に該当すれば、確定申告が必要な場合があります。

取引先の会社から、源泉徴収された報酬や料金を受け取っている個人事業主は、この確定申告で源泉徴収税額を申告することにより、源泉徴収税額が再計算した税額を上回る場合には還付を受けられる場合があります。

法定調書等の作成・提出

給与などから源泉徴収を行っていた会社では、年末調整を行ったあともまだ手続きがあります。その年の給与やその他の支払いについて、定められた調書を税務署や市区町村に提出しなければなりません。

法定調書とは

法定調書とは、給与や賞与、退職金、また、報酬や料金などの支払いを行う者が、該当年の翌年1月31日までに税務署に提出しなければならないものです。

法定調書は、所得税法や相続税法、租税特別措置法などに計59種類も定められていますが、源泉徴収にかかわる主なものとしては、「給与所得の源泉徴収票」、「退職所得の源泉徴収票」、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」があります。

【参考】No.7401 法定調書の種類/国税庁

源泉徴収票

源泉徴収票には、「給与所得の源泉徴収票」と「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」があります。

「給与所得の源泉徴収票」は、給与や賞与の支払い対象者に該当年の翌年1月31日まで(退職者には退職後1か月以内)に交付するとともに税務署にも提出する必要があります。

「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」は、退職手当の支払い対象者に退職後1か月以内に交付しなければなりません。また、退職手当の支払い対象者が役員である場合には、同じく退職後1か月以内に税務署および支払った年の1月1日現在における受給者の住所地の市区町村に提出しなければなりません。

※その年中に退職した受給者分を取りまとめて該当年の翌年1月31日までに提出しても構わないこととされています。

【参考】No.7411「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数/国税庁
【参考】No.7421「退職所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等/国税庁

支払調書

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、個人事業主などに報酬や料金を支払った場合に、該当年の翌年1月31日までに税務署に提出しなければならないものです。

なお、報酬や料金などを個人事業主などに支払っている会社で、個人事業主にもこの支払調書を発行している場合がありますが、これはあくまで税務署に提出すればよいものであり、個人事業主に発行する義務まではありません。

【参考】No.7431「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等/国税庁

給与支払報告書

「給与支払報告書」は、従業員の住民税額を決定するため、給与の支払い状況について該当年の翌年1月31日までに従業員の1月1日現在(それまでに退職している場合は退職日現在)における住所地の市区町村に提出しなければならないものです。

「給与支払報告書」は、「総括表」と「個人別明細書」からなっていますが、「個人別明細書」は、源泉徴収票とほぼ同様の記載内容となっています。

まとめ

  • 源泉徴収は、従業員の給与や賞与、退職金だけでなく、個人事業主などに支払う一部の報酬や料金についても対象になる。
  • 源泉徴収税を納付期限に納付しなかった場合には、不納付加算税や延滞税を別に納付しなければならない場合がある。
  • 源泉徴収税額はあくまで仮のものであり、会社員については年末調整で、源泉徴収された報酬や料金を受け取っている個人事業主については、確定申告で清算することになる。
  • 源泉徴収義務者は、該当年の翌年1月末までに源泉徴収票を対象者に交付するとともに、税務署や市区町村に源泉徴収票を含めた法定調書や給与支払報告書などを提出しなければならない。

<執筆者>
本田 勝志 社会保険労務士

関西大学 経済学部 経済学科 卒業。1996年10月 文部省(現文部科学省)入省。退職後、2010年に社会保険労務士試験に合格。社会保険労務士事務所などでの勤務経験を経て、現在は特定企業における労務管理等を担当。


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