連載:第15回 躍進する企業の転換点
自社と顧客、そして地域との関係を育んでいく 「新潟ワインコースト」の立役者たち
新潟市街地からクルマで40分ほどの日本海沿岸部に広がる、通称「新潟ワインコースト」。ここに集う個性的なワイナリー4軒を開業に導き、ワインコーストの原型を築いたのが、1992年創業の「カーブドッチ」です。 1000坪ほどの敷地でスタートした小さなワイナリーで、当時は量産困難とされていた日本で栽培した欧州系のワイン専用ブドウ による純国産ワインづくりに着手。今や年間約10万本・約35アイテムのワインを生産・販売し、レストランやベーカリーカフェ、宿泊施設なども併設する、北陸地方屈指のワインリゾートに成長しています。創業間もない時期から同社の成長を支え、2012年に代表取締役社長に就任した今井卓さんに、何もない場所から立ち上げたワイナリー一帯が「新潟ワインコースト」と称されるまでに成長させた経緯や、今後の展望などを伺いました。
株式会社カーブドッチ
代表取締役社長 今井 卓(いまい たかし)さん
1967年新潟県上越市出身。長野県内のワイナリーでぶどう栽培業務を担当した後、1994年カーブドッチに営業担当として入社。ワイナリー拡充や直営店運営などを経て2012年より現職。(株)にいがたワインビレッジの代表取締役も兼任し、ワインの製造・販売はもちろん飲食事業、宿泊施設や日帰り温泉の運営などを幅広く手がける。
徹底的に地産地消にこだわったワイナリーを目指すことで、取引先の共感を得る
――カーブドッチの創業期に入社しておられますが、以前からワイン醸造家を目指していたのですか?
今井卓さん(以下、今井): 前に勤務していた長野県のワイナリーで当初は栽培、そしてその後営業をしていました。そして入社時のカーブドッチには、地元でワインを「売る」人材がいなかったので、必然的に直売や卸売りの仕事を任されることになりました。私個人としても、ワイナリーの仕事に携わることが大事で、醸造に特にこだわりはありませんでした。
前職の社内体制が変わり、退職を検討し始めた頃に「新潟にもワイナリーが出来たらしい」という情報を得たこと、いずれは出身地である新潟に戻って仕事をしたいという気持ちがあったことなどが、主な入社動機です。醸造に関わらないとは言え、自分の食い扶持くらいは何とかしなければいけませんから、酒卸などとの交渉を行う営業担当ということで入社しました。
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