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連載:第6回 きっとうまくいく IT七転八起

とことんやりきるためには徹底した準備がマスト。1人で業務改革を乗り切った社長が経験した落とし穴とは

BizHint 編集部 2022年7月29日(金)掲載
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京都市下京区の株式会社大原商店は、1931年に創業した和装小物の製造卸問屋です。社内にある6,000種類・4万点もの商品が各担当者の記憶と紙によって管理されていた状況を変えるべく、システムを刷新・構築することを決意します。商蔵奉行とkintoneの連携を全て自分で進めた代表取締役社長 大原康史さんに、システム導入のキモと構築のノウハウを詳しく伺いました。

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株式会社大原商店
京都府京都市。従業員13名。
1931年創業。和装小物の企画製造、卸売業を営む。


Q. 現在使われているITツールを教えて下さい。

A.
― マネーフォワードクラウド会計
― kintone
― 商蔵奉行クラウド

Q. IT導入を考えたきっかけについて教えて下さい。

A. 2021年9月に父から事業承継したんですが、和装小物の製造卸業を営む当社は、日本の景気がいい時代に、父の構築した営業ノウハウのおかげで大きく成長してきました。しかし、長く続く不景気と和装文化の縮小しつつある現代では、父と同じやり方は通用しません。事業承継を機に会社を進化させるために、ITを使った業務効率化は避けては通れないと考えました。

Q. 事業承継を機にIT化が必要だと感じた背景にどのような課題がありましたか?

A. 最大の課題は、 商品情報、在庫管理、顧客管理がすべて紙で行われていた ことでした。
また、販売管理についても1988年に導入したオフコンのシステムがずっと稼働しており、機能追加や保守の面でも限界を迎えつつあったので、一刻も早い見直しが必要でした。

弊社は6,000種類ほどの商品を扱っており、管理している在庫は約4万点にも及びます。
商品情報は仕入担当が手書きした用紙を、カテゴリごとにまとめたファイルで管理していましたが、 問い合わせへの対応がスピーディーに行なえませんし、毎年6月に行っている棚卸しも社員総掛かりで商品を手で数え、原価はファイルをめくって調べる、と丸々2週間かかるほど大変 でした。

それぞれの商品に関わる職人さんを含む仕入先や、得意先台帳、直送先台帳もほとんどがアナログ管理されていました。
和装小物は1つの商品に複数の仕入先が係わっていることも多いんですが、職人さんの高齢化が進み、商売を畳んでしまう仕入先が年々増え続けています。商品を仕入れたい段階になってこれまでと同じ職人さんに発注できないことが分かり、慌てて他の職人さんを探す……といったアクシデントがたびたび発生していました。
職人さんが変わると仕入原価も変わりますので、場合によっては売値の見直しも必要になります。
どの仕入先がどの商品に関わっているのかわかれば、先手を打って新しい職人さんにご依頼したり、原価計算の見直しをスムーズに行えるのにと考えていました。
逆もしかりで、どの商品がどの顧客に売れているのかもわかれば、最適な在庫量や新商品の検討に役立ちます。

商品情報の検索性を高めることや在庫管理を楽にすること、それぞれの商品に係わる仕入先と取引先の状況を把握しやすくするために、新しい販売管理システムを導入しようと決断しました。

こうしたファイルが全ての壁にずらっと並んでいる。どのファイルに何の情報が入っているかは、担当者しか把握していなかったという。

Q. 販売管理システムの導入は、具体的にどのように進められたのですか?

A. システム導入に何かサポートがあるのかなと思って調べたら、ITコーディネータの無料相談を5回までつけてくれる京都市の補助金事業を見つけたので、申込みをして来てもらいました。そこで、小手先の改善ではなく徹底的にやりましょうとアドバイスをいただいたので、ベンダーやツールの選定は徹底して選び抜くことにしました。

まず、必要な機能の整理から始めました。現在の業務フローと、「こうなったらいいな」という理想の業務フローを図に起こして、理想の状態に必要な機能を書き出していきます。

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