連載:第62回 リーダーが紡ぐ組織力
人が辞めない組織を実現したリーダーが徹底したこと。経営者が避けたがる「ある行動」が会社を蘇らせた


中古カー用品店を運営する株式会社アップガレージグループ。現在の離職率は8.8%と業界平均の約15%を下回る数字です。しかし、ほんの数年前の2017年度は離職率20.4%で、スタッフに覇気がなく社内のエンゲージメントも低い状態でした。何が組織を変えたのか? 同社の河野社長に話を伺うと、トップダウンによる大幅な出店加速で社員たちが疲弊し、主体性低下、離職率増加を導いてしまったといいます。このピンチを変えるべく河野社長が実施したことは、経営者の多くが避けたがる「ある行動」だったそう。この行動により同社は人が辞めない組織へと生まれ変わりました。詳しく伺います。

株式会社アップガレージグループ
代表取締役社長 河野 映彦 さん
1981年、東京都生まれ。2005年に野村証券へ入社し、リテール営業を担当。2012年アップガレージに入社。2015年4月、グループ内にIT関連企業のZERO TO ONEを設立し、代表に就任。退任後、2018年にアップガレージの社長に就任。2023年、持ち株会社クルーバーが完全子会社のアップガレージ、ネクサスジャパンの両社を吸収合併し、商号をアップガレージグループに変更。同社の社長に就任した。
社員への「ある行動」で人が辞めない組織に変化
――まず、現在のアップガレージグループの状況について教えてください。
河野映彦さん(以下、河野): 中古カー用品店「アップガレージ」を主軸に展開し、おかげさまで2025年3月期の売上高は139億円、営業利益は10億円と安定した成長を継続できています。
私が販売店を訪れると社員から「社長、聞いてくださいよ!」と積極的に話しかけてくれて、「こういうことができるようになりました」「こういう新しいことをやったらお客様に喜んでいただけました」といった前向きな報告を受けることが日常になりました。離職率も8.8%と、業界平均の15%を下回っています。
ただ、 社長就任直前の2017年度の離職率は20.4%で、今と比べて11.6%も高い状態でした。そして当社が人が辞めない組織に生まれ変わったのは、経営者の多くが避けたがる「ある行動」の大切さに気づいたからです。
――「ある行動」とは一体?
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バックナンバー (62)
リーダーが紡ぐ組織力
- 第62回 人が辞めない組織を実現したリーダーが徹底したこと。経営者が避けたがる「ある行動」が会社を蘇らせた
- 第61回 「指示待ち組織」を引き継いだリーダーの覚悟。社員の主体性を引き出すために貫いた一つのこと
- 第60回 人が辞めない組織の絶対条件。社員の離職を止めたリーダーの葛藤と変化
- 第59回 「すべてを社員に任せたら会社は伸びる」。組織の主体性を高めるために必要なリーダーシップの極意
- 第58回 人が辞めない組織のリーダー、唯一の責務。社員は仕事に誇りを持っていますか?