連載:第9回 きっとうまくいく IT七転八起
人は「事実と感情」を分けられない。崩壊寸前の町工場をチームに変えたカンタンな「〇〇」


東亜成型株式会社の3代目社長・浦竹重行さんは、リーマンショックで苦しい時期に会社を継ぎ、事業を立て直す苦境に立たされました。現場で日々起こるすれ違いやコミュニケーションのトラブルに悩んだ結果、仕組み化で解決しようと一念発起します。新旧のテクノロジーを組み合わせ、試行錯誤しながら業務効率化とコミュニケーション改善を続けている浦竹さんに、「事実と感情を分ける」IT活用について伺いました。

東亜成型株式会社
1967年創業。大阪市西淀川区。主に自動車シートに使われるウレタンを発泡成形するための金型製作を中心に、様々な金型を図面データ作成から仕上げまで自社内で一貫対応できることを強みとする。
Q. 会社を継がれた当時、どのような組織の課題や問題がありましたか。
A. 会社を継いだ当初、リーマンショック等の影響もあって経営が非常に厳しかったんです。私は営業として様々な会社さんを必死で回っていたんですが、その際に、どの会社でも生産性や業務効率を改善するためにいろいろな取り組みをされていることを知りました。
当時の私は製造業の生産管理や業務効率化について何も知らなくて……とにかく状況を変えるためにも何かやらねばという気持ちで、見よう見まねでいいから始めなくてはと思いました。
当時の最大の問題は社内の情報共有や情報伝達が全く機能していないこと でした。顧客の要望が営業から製造現場に流れていかないとか、現場からの連絡が営業から顧客に伝わっていないとか、しょっちゅうそんなことがあって。
当社は設計データから仕上げまで一貫して対応できる体制を取っています。それぞれの部門が小さく、 頻繁に発生する細かいコミュニケーションが、すれ違いや勘違いなど「伝言ゲーム」にミスが生じる要因となっていました。
現場で起こる社員同士のコミュニケーションについても、ミスに対して「普通こうでしょ」という言葉が飛び交っていて……。 仕事の進め方や価値観の異なる社員同士で度々すれ違いが発生したり 、何か問題が起こった際、 感情的になってしまい本当に何が起こったのか事実が確認できないまま責任の追及が始まったり ということがありました。 コミュニケーションにおいて、事実と感情を切り分けるためにも、ツールなどの力で客観的な視点を取り入れて改善できないかと 考えていました。
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きっとうまくいく IT七転八起
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