連載:第2回 きっとうまくいく IT七転八起
BCP対策としてのIT:介護の現場で災害や感染症にどう立ち向かうのか
和歌山県紀の川市で老人福祉施設を経営している社会福祉法人篤眞会。4月からクラウド活用を始めたと聞き、クラウド活用のきっかけや現在の状況について、事務長の岡田孝之さまにインタビューさせていただきました。オンプレミス版のソフトからクラウドに切り替えた背景には、和歌山という土地が抱えるリスクと、新型コロナウイルスのリスクを重大に考慮しなければいけない福祉施設の実情がありました。
社会福祉法人 篤眞会
和歌山県紀の川市。従業員数41名。
2003年11月に「ケアハウス後楽荘」開設。訪問介護やデイサービス等、老人福祉及び障害福祉事業を展開・提供している。
Q.使用しているITツールは?
A. NDソフトウェア株式会社が提供している介護業務支援ソフトの「ほのぼの」シリーズです。日々の介護記録、介護計画の作成、そして請求管理など業務にまつわるデータを一気通貫で管理、共有、活用できる業界専門のソフトウェアです。オンプレミス版を約15年前に導入し、今年の4月からクラウド版に切り替えました。
クラウドではありませんが、Synology社のNASも使っています。ExcelやWord等、ローカルのファイルを自動バックアップしています。リモートアクセスの機能を使って、事務所の外からもファイルにアクセスできるように設定しています。
Q. クラウド導入を考えるようになったきっかけは?
A. BCP対策とコロナ対策を進めなくてはいけなくなったためです。
和歌山は地域柄、南海トラフ巨大地震等のリスクを抱えているため、行政からBCP対策が推進されているという背景があります。
また、昨今のコロナ禍による実感として、感染症対策時や災害時に在宅業務がしやすい体制を整えていく必要性を感じていました。
Q. 実際にクラウドを活用されるのはどんな職種の方ですか? また、その使用場面は?
A. 経理・事務方や、ケアマネージャーなどです。
これらの職種については、クラウドを活用した在宅作業も可能と考えています。それ以外の職種については、福祉事業ですので在宅は難しいことが多いです。
私自身は、請求業務等は自宅からできそうだと考えています。
Q. クラウドの便利さを実感できたポイントはありますか?
A. 安心感です。
事務所が災害に見舞われてサーバーが被害を受けることもありうるので、各種のデータがクラウド上にあるというのは、非常に安心感があります。
ソフトウェアのインストールやアップデート等、メンテナンスが不要になったというのも大きいです。
Q.クラウドツールへの懸念や不安はありましたか?
A. クラウドだと、操作する端末と大本のサーバーの距離が離れる分、動作速度が遅くなるのでは……と思っていたのですが、ベンダーさんにその心配はないと説明いただいて、安心しました。その後、自分でも使ってみたんですが、問題ないことがわかりました。
Q. クラウドは御社のどのような課題を解決してくれそうでしょうか?
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