連載:第1回 進め方いろいろ「中小企業の働き方改革」
パート職員がドイツからプレステでリモートワーク。優秀人材の繋ぎ止め策が会社を変えた
コロナ禍でテレワークの導入を余儀なくされるなか、スムーズに移行できた企業とうまくいかない企業の差が生まれています。株式会社日本シャルフは、2012年からIT・クラウド活用を始め、コロナ禍に先がけて、時差のある国外とのリモートワークにも成功していた企業です。同社がリモートワークに注力したきっかけは、1人のスタッフの離職対策だったとか。ITツール導入の旗振り役をつとめる代表取締役社長・高田弘明さんと、同社でリモートワーク開始のきっかけとなった取締役・窪田美弥さんに、離れたオフィス間でコミュニケーションを取りやすくするコツを教えていただきました。
「夫の転勤で会社を辞めます」、改革の発端はキーパーソンの離職危機
――貴社で、IT化とクラウド活用を進めることになったきっかけを教えてください。
高田弘明さん(以下、高田): 2012年に、 パート職員だった窪田さんから「夫の転勤で引っ越すので辞めます」と言われた ことです。当社は、社会保険労務士や企業の労務担当者へ向けて、オリジナルのシステムを開発・提供・サポートをしています。その頃の浜松オフィスでは、開発2名・ヘルプデスク(サポートスタッフ)2名・私の計5名が働いていて、ヘルプデスク主担当の窪田さんが抜けるのはかなりの痛手でした。
窪田美弥さん(以下、窪田): 当社・日本シャルフは、専門職の方向けのシステムを扱っているので、カスタマーサポートでも、サーバーやネットワーク、プリンター、データベースなどの専門的な知識が必要でした。トラブルで焦って電話してくるお客様に対して、きちんと説明する力や聞き取る力なども求められるので難易度が高く、すぐに代わりの人を補充するのは難しかったんです。
高田: 一度は窪田さんの退職が固まったものの、「これは会社を良くするチャンスじゃないか」と考え直しました。 僕は子供の時から、「四の五の言っても問題は解決しないから、基本プラスで捉えて、与えられた環境で一番を獲ろう」と育てられて、やるならとことんやるタイプ。窪田さんが 離れていても仕事ができるように、サテライトオフィスやリモートワークを導入しようと決断 しました。
窪田: 退職するか迷いましたが、会社がまた1から代わりの人材を育てていくのは大変だし、私自身も積み上げたスキルが使えなくなってしまいますから、お互いもったいないですよね。だから、リモートワークができる環境を整えてくれるのはありがたかったです。
(株式会社日本シャルフ 代表取締役社長・高田弘明さん)
ドイツと日本の遠距離業務、プレステが橋渡し役に
――窪田さんの引越し先と、高田さんたちのいるオフィスとで、どうやって連携し始めたのでしょうか。
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