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連載:第13回 成長企業 社長が考えていること

社長の「悔しさ」を原動力に売上は10倍超。着実な企業成長への仕組みづくり

BizHint 編集部 2021年8月2日(月)掲載
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売上は10年で10倍超。毎年着実な成長を続ける沖縄食材専門卸の株式会社香那ホールセール。電話とFAXでの注文という飲食店との慣習を変えるべく、15年前からDXに挑戦し、社内業務の効率化にも自ら邁進してきました。「システム投資は人への投資」と言い切り、様々な改革は「悔しさが原動力」と語る、同社代表取締役の宇根良樹さんに話を聞きました。

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株式会社香那ホールセール
代表取締役 宇根 良樹 さん

1976年、沖縄県浦添市生まれ。高校、ビジネス専門学校を卒業し、中国へ2年間語学留学。スーパーマーケットの小売りを手がける沖縄県内の金秀グループで貿易・物流に携わった後、2006年、東京で沖縄食材を扱う卸会社「香那」を創業、翌年「香那ホールセール」として法人化。首都圏の沖縄料理店300店舗を中心に取引を行い、この10年余りで売上げを約10倍にまで伸ばす。


電話とファクスでの注文。近いうちに絶対変わる

――沖縄から上京し、沖縄食材の卸業を始められたとのこと。

宇根良樹さん(以下、宇根): もともとは、沖縄地場のスーパーマーケットの本部で海外食品の買い付けを担当していました。

ただ、あまり楽しくなかったんです。店舗のチーフの要求に従って品揃えをすることが求められるので、自分が「売ってみたい!」と思う商品を見つけても受け付けてもらえません。だんだんしんどくなってきて、独立を考えるようになりました。

ただそのスーパーでは、受発注に自社開発のシステムを使い、EDI(専用回線や通信回線を通じて商取引する仕組み)発注が当たり前でした。この環境は、後々自分で卸業をやるようになった時に、すごく便利だったんだな…と思い知りましたね。

――最初は、卸業ではなく飲食店を目指されたそうですね。

宇根: はい。東京に出てすぐは、沖縄料理店をやろうと思っていました。しかしいざ準備を始めてみると、東京では沖縄の食材が手に入りません。すでにお店を構えていた同郷人に聞いても、沖縄の親戚から送ってもらってやり繰りしていました。ほんの15~6年前はそんなレベルだったんです。

2001年に放送された朝ドラ「ちゅらさん」ブームを契機に東京に沖縄料理店がたくさんできたのですが、その時も各所で食材の流通が課題になっていました。こういった状況では沖縄料理屋を始めても苦労すると思い、かつての経験を活かして沖縄食材の卸・流通で会社を起こすことにしました。2006年のことです。

――過去の経験が生きますね。うまく行ったのでしょうか?

宇根: いえいえ。むしろ、資本力のあるスーパーと零細・駆け出しの卸業者との間にある、埋めようのない差に気づかされました。

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