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連載:第15回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】

バーミキュラが売れる仕組み、透明度の高い組織を作る【愛知ドビー株式会社・土方邦裕さん/智晴さん】

BizHint 編集部 2019年6月24日(月)掲載
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プロ・リクルーター、河合聡一郎さんによる事業承継のヒントを探る連載。前回に引き続き、名古屋市に本社がある愛知ドビー株式会社の代表取締役社長、土方邦裕さんと代表取締役副社長の土方智晴さんにお話を伺っています。世界初の日本製の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」はどのようにしてブランド認知を獲得していったのか。また、商品のヒットによって急激に拡大する組織をつなぐものとは――販売戦略と組織づくりの秘密に迫ります。

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土方邦裕さん

愛知ドビー株式会社 代表取締役社長/鋳造技師

1974年、名古屋市生まれ。東京理科大学を卒業後、トヨタ系の商社・豊田通商で為替ディーラーとして活躍。2001年、祖父の創業した愛知ドビーに入社。2008年社長就任。

土方智晴さん

愛知ドビー株式会社 代表取締役副社長

1977年愛知県生まれ。神戸大学を卒業後、トヨタ自動車で原価企画などに携わる。2006年愛知ドビー入社。精密加工技術を習得し、バーミキュラ全製品のコンセプト策定から製品開発までを主導。


世界最高の鍋、バーミキュラは素材本来の味を引き出す

河合聡一郎さん(以下、河合): バーミキュラ、すごく人気ですよね。発売当時は予約で1年半待ちになるほど瞬く間に人気商品になりました。3年の歳月をかけて納得のいく商品が完成したものの、「日本製の鋳物ホーロー鍋」はこれまでの市場にない新しいジャンルの商品です。実際の販売戦略はどのような方法をとられていったのでしょうか?

土方智晴さん(以下、智晴副社長): 販売戦略は開発の企画段階から構築していきました。

バーミキュラのターゲットは一般のお客様です。ご家庭で使っていただくものですから、接点ができるだけお客様の身近にないといけない。発売当時、インターネットでEC市場が加速していたこともあって、自社のECサイトで直販することにしました。

河合: 直販ならお客様ともスピーディーかつ直接コミュニケーションを取ることができますね。それにしても新しい商品だけに、認知もまだまだ取られていない中で、 ブランド認知をどのように高めていったのか。またECサイトに来てもらうにはどのような工夫があったのでしょうか。

智晴副社長: いわゆる 「広告」は効果が薄いと判断して、広報の力を活用 するようにしました。具体的な施策としてはプロの料理家さんやブロガーさんにバーミキュラを使っていただき、SNSで発信してもらう。するとそこから口コミでどんどん一般のお客様へも広まっていきました。

土方邦裕さん(以下、邦裕社長): バーミキュラの特徴は、気密性が高いため野菜の水分やうま味を逃がさない「無水調理」が可能なことです。 素材の味を生かした「引き算の味」をご家庭でも楽しんでいただけるよう、商品にはレシピブックが付属しています。 さまざまなレシピをご提案して、商品の良さを知っていただくのにつながっています。

組織は「やりたいこと」をやってもらう

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