連載:第27回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】
町工場の女性社長による、社員のモチベーションを上げる方法とは
東京都大田区に工場を構えるダイヤ精機株式会社社長、諏訪貴子さん。父の工場を継いだ諏訪さん。2004年の社長就任後から現在までに約9割の社員が入れ替わり、組織を生まれ変わらせました。現在の社員のうち9割は未経験入社。社員のモチベーションを上げて組織を活性化させた秘密を伺いました。
ダイヤ精機株式会社 代表取締役 諏訪貴子さん
1971年東京都生まれ。成蹊大学工学部卒業後、ユニシアジェックス(現・日立オートモティブシステムズ)に入社。エンジニアとして働く。98年ダイヤ精機に入社し出産と同時に退社。32歳(2004年)で父の逝去に伴いダイヤ精機社長に就任し、経営再建に着手。自社の40年分の経営データを読み解き、さまざまな改革を実施した。 バーコードを活用した生産管理システムを導入して取引先への対応力やコスト管理力を高めるほか、熟練技術の若手社員への継承などにも意欲的に取り組み、中小製造業が直面する課題を次々と解決してきた。新しい社風を構築し、育児と経営を両立させる若手女性経営者として活躍中。
社員のモチベーションを上げる鍵は、社員からの提案を断らないこと
河合聡一郎さん(以下、河合): 事業承継後の組織づくりについてくわしく伺いたいと思います。現在のダイヤ精機の社員規模はどれくらいですか?
諏訪貴子さん(以下、諏訪): 社員数は30名ほどですが、 2004年に社長に就任してから約9割の社員が入れ替わりました。 そして、在籍している社員のうち9割が未経験からの入社です。前職は自衛官やアニメーターなどさまざまですね。
河合: 組織の若返りを目的に新卒など若手の採用を積極化させたとのことですが、高度な技術が求められる製造業は育成コストがかかるのではないでしょうか? 実行され続ける意思決定のきっかけは何だったのでしょうか?
諏訪: 経験者も採用しましたが、未経験者よりも離職率が高かったんです。経験者は前職の環境と比較しがちなのも一つの原因かもしれません。また、当時は製造業界全体で未経験者を採用している会社はごく少数でした。業界の慣習に倣うよりも、職歴にかかわらず「ものづくりしたい人にチャンスを与えられる会社になろう」と方向転換しました。
河合: 結果として、9割の方々の入れ替えは意図してのことだったのでしょうか?
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バックナンバー (29)
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