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連載:第10回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】

日替わり弁当のみで年商70億、玉子屋のスゴい事業承継

BizHint 編集部 2019年5月15日(水)掲載
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プロ・リクルーター、河合聡一郎さんによる事業承継の成功のヒントを探る連載。今回お話を伺うのは、株式会社玉子屋 代表取締役社長の菅原勇一郎さんです。家業は1食450円の日替わり弁当をオフィスに宅配する「玉子屋」。菅原さんは2代目社長に就任すると、20年間で年商を7.5倍に拡大させるなど経営手腕を発揮し、ビジネスモデルはアメリカの名門・スタンフォード大学のMBAでもケーススタディとして取り上げられるほど。東京・大田区発、世界が注目する中小企業の秘密に迫ります。

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株式会社玉子屋

代表取締役社長 菅原勇一郎さん

1969年東京生まれ。立教大学卒業、富士銀行(現みずほ銀行)入行。流通を学ぶため、小さなマーケティング会社に転職し、1997年「玉子屋」に入社。葬儀やパーティ用の仕出し屋「玉乃家」も設立。2004年社長になり、97年当時12億円程度だった売り上げを、70億円までに。2015年からは、世界経済フォーラム(通称ダボス会議)にも、フォーラムメンバーズに選出されている。著書に『日替わり弁当のみで年商70億円スタンフォード大学MBAの教材に 東京大田区・弁当屋のすごい経営』(扶桑社)がある


1食450円の日替わり弁当のみで年商70億

河合聡一郎さん(以下、河合): 玉子屋さんは毎朝注文を受けて一日7万食を製造。自社の配送チームが20班に分かれて調整車を送り、お昼にはオフィスへ弁当が届く。しかも1食450円、 廃棄率0.1%は製造業では驚異的な数字 ではないでしょうか。この仕組みがどうやって生まれたのか、また先代から受け継いだ会社をどのように変革したのか。二代目ならではの組織づくりについてもお聞きしたいと思います。菅原さんはもともと会社を継ごうと思っていましたか?

菅原勇一郎さん(以下、菅原): 子供の頃は、家の商売が弁当屋だってことに劣等感があって、継ぎたいなんて思っていませんでした。高校・大学の7年間は野球部でずっと寮生活。その間、会社には近寄りませんでしたね。実家からもたった100m先、目と鼻の先なのに。

河合: そうだったんですね! 意外な印象です。当時の将来の夢はなんでしたでしょうか?

菅原: 学生時代はずっとプロ野球選手を目指していました。けれど挫折してしまって。そんな時ふと、将来社長になりたいと思いました。ただし「家業以外」のです。そこで、社長になるための勉強ができる就職先を選んで銀行に入社しました。

銀行では様々な取引先を見てきましたが、学んだことは 「規模の大きい会社や、沢山売上のある会社が、必ずしもいい会社ではない」 ということです。それよりも、 経営体制が健全で、従業員が楽しく働いていて、お客様が満足していること。この「三方良し」の関係がいい会社の証 なんだと気づきました。

お客さんとして見ていたから、事業の改善ポイントがわかった

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