連載:第6回 経営の悩みを中小企業診断士に相談してみたら
テイクアウトでも業種転換でもない、コロナ禍の飲食店を救ったある商品開発
コロナ禍で営業自粛や時短営業を余儀なくされている飲食業界。多くの飲食店が深刻な打撃を受ける中、埼玉・秩父の和風ダイニング『DA'dA(ダダ)』では、売り先を失った地元産猪肉を活用してペットフードを開発。わずか数か月で200万円以上の売上を獲得しています。オーナーの福島強さんと相談相手となった秩父商工会議所 中小企業支援課長の石原哲也さん、埼玉県商工会議所連合会 広域指導員で中小企業診断士の黒澤元国さんが、起死回生の一手を語り合いました。
秩父市内で居酒屋を経営する両親の元に生まれ、16歳から和食割烹店で修行。東京都目黒区や神奈川県平塚市での和食割烹店勤務を経て、2007年に『DA'dA(ダダ)』をオープン。2018年には『じんじんばあ』を展開する。
大学卒業後、1996年(平成8年)4月に秩父商工会議所に入所。管内(秩父市、横瀬町)企業の経営革新支援や助成金活用相談などに携わる。
大学卒業後、大手流通会社等の勤務を経て、2008年(平成20年)4月より秩父商工会議所に入所。現在は埼玉県商工会議所連合会 広域指導員。中小企業診断士として企業の経営革新や再生、地域資源活用、まちづくり等の支援に係わる。
コロナ禍の飲食店を救った秘策
石原哲也さん(以下、石原): 福島さんは秩父市内で居酒屋を2店舗経営されていますよね。いずれも地元の人気店です。
福島強さん(以下、福島): 『DA’dA(ダダ)』は2007年に開業した和食ダイニングで、季節の食材を生かした一皿や炊き込みご飯が自慢です。2018年には、観光客が秩父神社までよく行き来する番場町に地元の郷土料理を楽しめる『じんじんばあ』をオープンしました。奥秩父の天然猪肉料理や秩父名物の味噌ポテト、わらじかつなどが人気です。
石原: 最近では猪肉の串焼きも好評ですよね。
福島: 『じんじんばあ』のオープン前に、猪肉の串焼きを地元のお祭りやイベントで出店販売していました。もちろん、精肉処理施設を通じて入荷した猪肉を使っています。きっかけは地元の猟師さんから「収穫した猪肉を使って何か作れないか」とご相談をいただいたことです。 猪肉は独特のクセがあり肉質も固く、歯応えがしっかりしています。何か食べやすい方法がないかと試作を重ねた結果、低温調理で柔らかくして炭火で焼き上げました。大変好評で、毎年GW期間中には6000本を売るほどの大盛況でした。現在2号店でも提供しています。
石原: 福島さんと最初にお会いしたのは、確か串焼きの出店で多忙な頃でしたよね。6000本の仕込みはすべてスタッフ総出で手作業。「持続化補助金で自動串打ち機を導入できないか」とご相談をいただき、申請のお手伝いをしました。ところが、コロナ禍で飲食店の置かれる環境は一変しましたね。
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バックナンバー (7)
経営の悩みを中小企業診断士に相談してみたら
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