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2018年10月21日(日)更新

グローバル企業

グローバル企業とは、拠点となっている国以外の様々な国においてビジネス展開し発展している企業を指します。社員の国籍も様々で、ビジネス展開もその国の文化や手法に合わせて進めます。近年では日本企業のグローバル化も更に進んでおり、この背景にはICT利活用の促進などが大いに関わっていると言われています。今回は、このグローバル企業についてご紹介します。

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1.グローバル企業とは

そもそも「global(グローバル)」は、「地球全体の・世界的な」という意味を持った単語です。そして、「グローバル企業」とは、拠点となっている国以外の様々な国においてビジネス展開し発展している企業を指します。社員の国籍も様々で、ビジネス展開もその国の文化や手法に合わせて進めます。単に、製造工場などを海外に置いているだけの企業は含まれません。

【出典】weblio英和辞典・和英辞典「global」

ボーン・グローバル企業

「グローバル企業」に関連して、近年注目されているのが「ボーン・グローバル企業」です。これは、設立から数年で海外へ事業展開する、主にベンチャー企業の事を指します。海外への進出が比較的容易であると言われるIT系や、製造業など、その業種は多岐に亘ります。

この企業形態は1990年代を境に急激に数を増やしています。その背景には、インターネットの急速な普及、国のICT政策を背景としたICT技術の発展。そして、近年は国際経験の豊富な人材の増加や、クラウドファンディング等による資金調達の手法の確立、市場全体のグローバル化の影響などもあります。主なボーン・グローバル企業では、PC周辺機器の「Logitec」、気象予報の「ウェザーニュース」などが挙げられます。

【出典】総務省「グローバルICT産業の構造変化及び将来展望等に関する調査研究(平成27年)」

2.グローバル企業と多国籍企業・国際企業の違い

「グローバル企業」と似た言葉で「多国籍企業」「国際企業」があります。これらはしばしば同義語として用いられる事もありますが、2006年に当時のIBMのCEOであったサミュエル・J・パルミサーノ氏が発表した、企業のグローバル化の形態「GIE(Globally Integrated Enterprise)」において、その違いは以下のように明確に分けられています。

ちなみに「GIE」とは、グローバル企業が、そのビジネスにおける開発や生産、販売や購入などの一連の活動を、世界を視野に、適した地域で、その地域にマッチした形態で行うモデルを指します。

国際企業(International Corporation)

これは、主に19世紀における企業の国際化モデルです。基本的にビジネスの機能の大部分を本国(本社)で実施しており、海外にある拠点では、販売や製造などの一部の機能のみ実施されている企業を指します。

多国籍企業(Multinational Corporation)

主に20世紀頃に盛んであったモデルで、海外の拠点が本国に頼りきりになるのではなく、ある程度自立した状態を指します。各国共通の機能のみを本国で実施し、それ以外は各地の特性に合った機能を実施。資源や人材などにおいては、多国籍化が進んでいる状態を指します。

グローバル企業(Globally Integrated Enterprise)

最後に、グローバル企業とは21世紀のモデルであり、本国だけでなく世界の全ての拠点を一つの企業として最適化した状態を指します。その企業が持つ機能は、世界中において実施する事ができ、本国および各拠点が持つ情報やスキルも、世界中で共有する事ができます。また、その資源や人材は、多国籍よりも広義な「グローバル」へと進化しています。この実現には、ICT化の進展とその導入が大いに関わっています。

【参考】DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー「なぜ日本企業は、成長市場で勝てないのか? グローバル化へのハードル」
【参考】ITpro「知っておきたいIT経営用語 - GIE」

3.企業におけるグローバル人材の現状

それでは、企業におけるグローバル人材の現状についても詳しく見てみましょう。

グローバル人材とは

そもそもグローバル人材とは、一般的に企業や市場のグローバル化に柔軟に対応し得る人材です。様々な国や地域の言語や文化の垣根を超えてコミュニケーションを取り、それをビジネスにおいて活用し、企業のパフォーマンスを最大化する事が求められています。

政府におけるグローバル人材の定義としては、「日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材」とされています。

【出典】総務省「グローバル人材育成の推進に関する政策評価書」

【関連】BizHint HR「グローバル人材とは?定義、必要性、採用や育成のコツをご紹介」

︎企業のグローバル人材の確保状況

平成29年に発表された総務省「グローバル人材育成の推進に関する政策評価」の「グローバル人材の確保状況等に関する企業の意識調査」(対象:980社)によると、「海外事業に必要な人材の確保状況」として「不足」「どちらかと言えば不足」が実に7割を超える結果となりました。反対に「充足」「どちらかといえば充足」は3割程度であり、企業においてグローバル化における人材不足は深刻な状況である事が分かります。

  • 充足…10.2%
  • どちらかといえば充足…19.4%
  • どちらかといえば不足…52.7%
  • 不足…17.8%

【出典】総務省「2 グローバル人材の確保状況等に関する企業の意識調査」

海外で働きたくない若手社員

このように企業はグローバル人材を求めており、人材不足も叫ばれている中で、「海外で働きたくない」と考える若手社員が増加している事が問題視されています。

産業能率大学の2015年の調査「第6回新入社員のグローバル意識調査」(対象:2015年度の新入社員831名)によると、「海外で働きたいと思うか」という調査に対し「海外で働きたいとは思わない」が63.7%と高い数値となりました。これは2001年の調査開始時の数値(29.2%)から倍以上の伸びとなっており、過去最高を記録しています。

  • 1位…働きたいとは思わない(63.7%)
  • 2位…国・地域によっては働きたい(27.2%)
  • 3位…どんな国・地域でも働きたい(9.1%)

これは企業のグローバル化の波と逆行している結果となり、グローバル企業の海外展開において最も重要な経営資源である人材獲得競争は、更に激化すると予想されます。

【出典】産業能率大学「第6回新入社員のグローバル意識調査 / 調査報告書」

また、同調査で「海外で働きたくない理由」として

  • 1位…自分の語学力に自信がないから(65.6%)
  • 2位…海外勤務は生活面で不安だから(46.9%)
  • 3位…自分の仕事の能力に自信がないから(31.2%)

という結果が得られました。グローバル企業は、将来のグローバル人材の育成を見据え、まずは社員の語学力を独学に頼らず企業としてサポートし、海外拠点においては仕事面のみならず生活面でのサポート体制も整える必要があると言えます。

【出典】産業能率大学「第6回新入社員のグローバル意識調査 / 調査報告書」

4.グローバル企業で求められる人材

それでは、グローバル企業ではどのような人材が求められているのでしょうか。

異文化におけるコミュニケーション能力が高い

やはり、必要不可欠なのは語学力であると言えます。ただし、単に知識として外国語が話せるだけではグローバル人材とは言えません。まずは、異文化の中でも日本人としての芯はしっかりと持った上で、多様な異文化の相手に対して、その文化や習性を理解し、相手によってコミュニケーション方法や表現を変えられるスキルが必要です。

環境への柔軟性が高い

次に、異文化への柔軟性の高さです。日本の文化や習性にとらわれず、その国や地域の文化にとけ込む柔軟性が非常に重要となります。また、海外では日本とは違い多様性が当たり前に認められている国も多く、これまでと同様の手法で仕事を進める事は難しいかも知れません。その際にも、解決策を自ら考え実行できるスキルが必要です。

積極的な行動や自己主張を恐れない

海外の拠点で様々な人種や文化の人材に囲まれても、しっかりと自己主張ができる事も重要です。そして、企業からのミッションだけではなく、自身でしっかりとビジョンを持ち、それを達成するために自ら考えて積極的に動ける行動力も重要なポイントです。

精神力の強さ

海外の拠点においては、言語の通じない相手・慣れない文化・難航する運営など、母国で働くよりも多くの困難に遭遇します。また、プライベートも母国に居る時のようにスムーズにはいかないでしょう。しかし、そのピンチを楽しむ余裕があり、それに立ち向かってゴールまで貫徹する力が非常に重要となります。

課題解決能力

課題解決能力も重要なスキルです。母国では、様々なスキルを持ち、かつ同じ言語でコミュニケーションをできる人材が周囲に多く存在し、いつでも相談できる状態でした。しかし海外の拠点では、ある程度自分自身で考え、課題を解決に導く能力も必要です。

そもそも少ない人材で運営する場合も多く、課題解決が拠点の運営に深く関わる事も多いでしょう。その企業におけるグローバル人材の課題解決能力は、その拠点における事業運営能力であるとも言い換えられます。

グローバル人材に求めるスキル

それでは、具体的な調査結果を見てみましょう。

経団連が2014〜2015年に実施した調査「グローバル人材の育成・活用に向けて求められる取り組みに関するアンケート」(対象:経団連会員企業および非会員企業463社)では、「グローバル事業で活躍する人材に求める素質、知識・能力(n=375社・複数回答)」という質問について以下のような結果が得られました。

  • 1位…海外との社会・文化、価値観の差に興味・関心を持ち、柔軟に対応する姿勢…284社(76%)
  • 2位…既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける…216社(58%)
  • 3位…英語をはじめ外国語によるコミュニケーション能力を有する…177社(47%)

英語などのスキルよりも、やはりチャレンジ精神や異文化への柔軟な対応力が重要視されている事が分かります。

【出典】一般社団法人 日本経済団体連合会「グローバル人材の育成・活用に向けて求められる 取り組みに関するアンケート」

5.企業のグローバル化に必要なポイント

それでは、企業がグローバル化するにあたり、必要なポイントについてご紹介します。

経営面

まずは、経営の視点からのポイントを見てみましょう。

■経営方針のグローバル化

まず取り組むべきは、経営者自らがグローバル視点を持ち、企業の方針や経営戦略をグローバル基準に合わせる事です。グローバル化に向けた経営の方向性が決まっていなければ、どのように人材を揃え、組織を改革し、海外に展開していけば良いのかが見えてきません。まずは、グローバル化についての識者や経験者の意見も取り入れながら、そのビジョンを明確にする事が必要です。

■組織の変革

これまでの組織体制の抜本的な改革です。冒頭でご紹介した様に、グローバル企業は世界の各拠点がある程度独立して運営を行うものの、その機能や情報は共有され、どの拠点でも活かされているべきものです。グローバル企業はどのようにすれば組織を効率的に運営できるかを考え、柔軟にその形態を変革させる必要があります。

︎■各業務の標準化

「組織の変革」とも繋がりますが、世界共通で業務を標準化する事もポイントの一つです。各拠点で独自の手法で業務を行う事も時には必要ですが、ある程度の標準化をする事で、拠点同士の人事異動の際の業務効率のアップ、拠点間のコミュニケーションの向上、様々な拠点を包括するマネージャーなどの負担軽減(各拠点の独自の手法を把握する必要が無くなる)などのメリットがあります。

【関連】BizHint HR「グローバル経営とは?グローバル経営管理の課題も合わせてご紹介」

人事面

次に、人事面からのポイントです。

■人材の多様化

まずは当然の事ながら、人材の多様化、所謂ダイバーシティが重要です。これは社員に限った事ではなく、経営トップ層に対しても同じ事が言えます。会社の舵取りをする経営陣が、同じ国籍で同じような属性の人材ばかりでは、グローバル化に必要な多様性やイノベーションは生まれません。

まずは経営陣の多様化、そして可能なら多国籍化をはかり、様々な視点からの意見を取り入れるようにしましょう。同様に、社員についてもこれまでの固定概念を取り除き、あらゆる手法で多様な人材を採用する姿勢に変革する必要があります。

【関連】BizHint HR「ダイバーシティとは?意味や経営を推進するためのポイント」

■人事制度の整備・統合

様々な国や地域でビジネス展開するにあたり、人事制度の整備や統合も大切なポイントとなります。グローバル化を進めるにあたり、先ほどもご紹介したように人材は多様化、多国籍化するでしょう。当然、これまで経験してきた文化や制度も違うため、どこに照準を合わせるのか、どこまで標準化すべきかなどクリアする課題は多くあります。

人事制度の変革は特に時間のかかる問題ですが、最も重要な経営資源である人材を守るためには、避けて通れない課題です。

【関連】BizHint HR「人事制度とは?設計・構築のポイントやトレンド・事例をご紹介」

■企業風土の変革

最後に、企業風土の改革です。これも人材の多様化・多国籍化に伴って変革する必要があります。これまで通りの仕事の進め方、そして企業風土などで推し薦めると、それ以外の文化で育ってきた人材は「働きにくさ」を感じ、優秀な人材を手放す事にもなりかねません。

ある程度の自由度を持たせつつ、規律化すべき部分はしっかりと握って、社員みなが働きやすいと感じる風土を醸成してゆく必要があります。人材を守る事は、企業パフォーマンスの最大化、そして国際経営における競争力の強化に大きく影響します。

【関連】BizHint HR「グローバル人事とは?求められるグローバル人事制度と人事戦略」

6.グローバル企業のリスク

グローバル企業には、海外拠点ならではのリスクもつきまといます。詳しく見てみましょう。

海外工場などの労働管理体制

近年最も大きなリスクとして注目されているのが、海外拠点での労働管理体制です。例えば、これを現地に任せきりにしてしまうと、児童を労働者として雇用したり、長時間労働が横行するなど労働環境の悪化の恐れもあります。そうなると、人材の流出やそれが報道される事による企業のイメージダウンにも繋がります。人事制度の整備はもちろんの事、チェック体制の強化や教育体制の構築が重要となります。

政治や経済状況の変化

海外拠点における政治や経済状況などによる経営環境の変化も、リスクとして考えられます。法改正、貿易問題や、時には紛争などが原因となる場合もあります。これらの要因により、経済危機や材料の高騰などが起き、予測できないリスクが一気に高まる事も考えられます。

自然災害や事件事故

母国でも起こり得る事ではありますが、地震や天候不良などによる環境の変化。また、火災や故障、あるいはテロなどの事件事故です。予測できない性質のものが多く、その影響がどの程度になるのかも測る事ができないリスクです。

法制度や規制の変化

海外拠点では日本との政治の進め方なども違うため、例えば突然の法改正や制度の変更などに戸惑う事もあります。また、これにより少なからず企業の財政や組織体制にも影響を及ぼしかねないというリスクがあります。

反日感情の高まり

国同士のコミュニケーションが上手くいかない場合、反日感情の高まりによる不買運動や、時には「日本企業」というだけで店舗や工場を攻撃され、休業や閉店に追い込まれるというリスクもあります。

7.日本企業におけるグローバル展開への意識

それでは、日本企業のグローバル展開に関する調査結果を見てみましょう。日本貿易振興機構(JETRO)の「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 (JETRO海外ビジネスネス調査)」(対象:海外ビジネスに関心の高い日本企業9,897社)を元にご紹介します。

海外進出の方針

同調査の「今後の海外進出方針」という質問では、「拡大を図る」と回答した企業が60.2%と最も高い数値となりました。具体的には、大企業が66.3%、中小企業は58.5%となっており、業種別では小売・医療品/化粧品・電気機械・通信/情報/ソフトウェア・自動車関連などの業種で、海外進出の意欲の高まりが見られました。

  • 拡大を図る…60.2%
  • 現状を維持する…15%
  • 縮小、撤退が必要と考えている…0.7%
  • 今後とも海外への事業展開は行わない…17.1%

【出典】日本貿易振興機構(JETRO)「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 (JETRO海外ビジネスネス調査)」

また、その理由として「海外での需要の増加」が81%と圧倒的な理由となりました。そして、「国内需要の減少」「取引先企業の海外進出」が続いています。国内では飽和状態である市場において、海外へそのチャンスを求めたり、取引先の海外進出で連鎖的に進出するなどの現状が見えてきました。

  • 1位…海外での需要の増加(81%)
  • 2位…国内での需要の減少(50.4%)
  • 3位…取引先企業の海外進出(26.9%)

【出典】日本貿易振興機構(JETRO)「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 (JETRO海外ビジネスネス調査)」

海外で拡大を図る国・地域

次に、海外で事業の拡大を図る際の国と地域に関する調査です。「現在、海外に拠点があり、今後さらに海外進出の拡大を図る」とする企業を対象に調査したところ、上位3カ国を全てアジア圏が占め、特に「中国」「タイ」は3年間連続で1位・2位を独占しています。

  • 1位…中国(52.3%)
  • 2位…タイ(38.6%)
  • 3位…ベトナム(34.1%)

【出典】日本貿易振興機構(JETRO)「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 (JETRO海外ビジネスネス調査)」

海外で拡大を図る機能

最後に、海外において拡大を図る「機能」についての調査です。この結果、「販売」が圧倒的な割合を占め86%という結果となりました。この「販売」について、拡大を図る国や地域については、1位が中国(44.1%)、2位がタイ(29.1%)、そして3位が米国(28.5%)となりました。

  • 1位…販売(86%)
  • 2位…生産(汎用品)(33.9%)
  • 3位…生産(高付加価値品)(26.3%)

【出典】日本貿易振興機構(JETRO)「2016年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 (JETRO海外ビジネスネス調査)」

8.日本におけるグローバル企業の事例紹介

最後に、日本におけるグローバル企業について詳しく見てみましょう。ここでご紹介する企業は全て、世界最大のブランディング企業インターブランド社の日本法人「インターブランドジャパン」が発表した「Best Japan Brands 2017」の「Japan’s Best Global Brands(JBGB)」上位10社に入っています。

このランキングは、海外売上高の比率が30%以上のグローバル企業を対象とした調査で、独自の評価手法により、その企業の持つ価値を金額に換算する方法で順位付けられています。

【参考】Interbrand「Best Japan Brands 2017」

トヨタ自動車株式会社(1位)

まず、トヨタ自動車株式会社です。言わずと知れたグローバル企業であり、冒頭のインターブランド社の調査では、世界の企業を対象としたランキングにおいても7位に輝いています。

トヨタでは1957年に、アメリカへクラウンを輸出し始めたのを皮切りに世界各国で販売を開始し、現在では170以上の国や地域で利用されています。また、販売だけにとどまらず、現在では26の国と51の地域の拠点で自動車の生産も行っています。デザイン、研究開発などの拠点もグローバルに展開しており、「開発・設計から生産、販売・サービスまで、一貫したグローバル化・現地化」を目指しています。

その中で、人材育成にも積極的に取り組んでおり、「トヨタウェイ」の共有のため、北米、欧州、アジア、アフリカ、オセアニア等に人材育成の専門組織を立ち上げ、育成に取り組んでいます。

(数値は全て2017年9月時点の掲載情報)

【参考】毎日新聞「ブランド価値ランキング:トヨタ、7位に後退」
【参考】トヨタ「モノづくりのグローバル化と現地化」

キヤノン株式会社(3位)

カメラ・ビデオなど精密機器大手のキヤノン株式会社も、日本を代表するグローバル企業の一つです。2016年の連結売上高3兆4,015億円のうち、日本市場での売上高はわずか7,070億円(21%)であるのに対し、海外におけるそれは2兆6,945億円となっており、実に79%を占めています。特に、主力商品であるデジタルカメラおよびレーザープリンタは、世界シェアNo.1を誇っており、海外では外資系企業と認識される事もしばしばあります。

そんな同社では、グローバル人材育成のため、企業理念および行動指針をグローバルに共有させる事を重要視しています。1997年にはグローバル要因管理において、グループ共通基準「CGAP(Canon Global Assignment Policy)」を設置しました。

また、「海外赴任者研修」なども充実しています。主に英語や中国語の語学力と知識の向上、また異文化への理解を深めるサポートを実施。併せてプロフェッショナル人材を育てる「トレーニー制度」も設けており、例えば中国の大学で1年間語学を学び、その上で現地法人での実務を行いながらリーダーや責任者としての経験を積むなどの研修が用意されています。

【参考】キヤノン株式会社「投資家向け情報」
【参考】一般社団法人 日本経済団体連合会「グローバルに活躍できるマネジャーの確保・育成に向けた取り組み」

株式会社ユニクロ(8位)

最後に、日本を代表するアパレルブランド「ユニクロ」です。このユニクロを展開するファーストリテイリング社の直近の連結決算(2017年8月期第三四半期)を見てみると、営業利益は対前年比で23.9%増加し、1,806億円を超えています。その飛躍の中心にあったのが海外事業でした。2107年3-5月の売上収益を見てみると、海外のユニクロ事業は1,687億円であるのに対し、国内では1,983億円となりました。海外事業が国内事業とほぼ並ぶ勢いの数値を叩き出している事が分かります。

そんなグローバル企業の同社では、全世界約10万人(2017年9月時点の掲載情報)の多様かつ多国籍な人材が働いています。そこで、全世界の人材共通の人事評価・報酬制度を実現するための「グローバルグレード」を導入しています。全社員が同じ基準で四半期毎に評価され、それに基づいて人事評価や給与が決定されます。このグレードはただ評価基準を揃えるだけではなく、その評価者個人の解釈の違いなどが起こらないよう、「評価分布ガイドライン」も併せて策定されています。これにより、国や地域だけでなく、評価者による評価のばらつきを無くし、公平で正しい人事評価に繋げています。

【参考】ZUU online「好調「ユニクロ」今後の課題は? 海外が国内を逆転しそう」
【参考】AST RETAILING CO., LTD.「人材育成と公正な評価」

9.まとめ

  • グローバル企業とは、本国だけでなく海外拠点も含めて一つの企業として最適化されており、各拠点はある程度独立しつつも、スキルや知識・機能を共有できる状態である事を指す
  • グローバル企業における人材は、語学力はもちろんの事、様々な環境における柔軟性や、自身のアイデンティティをしっかり持った上での積極性など様々なスキルが必要とされる
  • グローバル化を進めるには、経営方針のグローバル化や業務の標準化など大きな組織変革が必要であり、かつ多様な人材や文化に対応した人事制度の整備も求められる

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