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連載:第20回 組織作り その要諦

ウクライナ人経営者が語る「有事に求められるリーダーシップ」

BizHint 編集部 2024年4月17日(水)掲載
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日本文化に対する海外の関心の高さ、物流や通信の発達、そして円安。日本の商品を海外の顧客に代わって購入し、発送する越境ECが活況を呈しています。その中で31か国のスタッフが19言語に対応し、175か国に配送実績を持つZenMarketを率いるのは、ウクライナ人とロシア人の4人の共同経営者です。コロナ禍や母国での紛争という未曽有の危機をどのように乗り越えたのか、そのリーダーシップのルーツについてお話を伺いました。

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ZenGroup株式会社
共同創業者/CEO スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴ(VIACHESLAV SUROVYI)さん

1983年生まれ、ウクライナ出身。 少年時代に空手を習い、日本文学に触れたことがきっかけで、富山大学、東京大学大学院で言語学を研究し、部活の合気道では黒帯を取得する。2014年、まだ学生ながらウクライナ人とロシア人の共同代表4人で、購入代行を行う「ZenMarket」を創業。10年で年間売上120億円、従業員数は31か国のスタッフ約400名までの成長に導いた。


4人の留学仲間が、日本への想いを胸に起業

――ZenMarketを立ち上げたきっかけを教えてください。

スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴさん(以下、スロヴェイ): もともと、現在の共同経営者でもあるコーピル、ナウモヴとは知り合いでした。

私は空手や日本文学に興味を持ち、2003年に富山大学へ1年間留学しました。一度、母国に戻りキーウの大学院で学士過程を学び、その後、私は再び日本へ留学して東京大学大学院で修士課程を経て言語学の修士号と博士号を取得しました。ソンとはそのとき東京大学で出会いました。

私たち経営陣の共通項は「日本文化が好きで、日本の魅力を母国の人々にも伝えたい」という願いを強く持っていたことです。日本から奨学金を受けて留学したことに対して恩返ししたいという思いも事業の開始につながりました。

――4人で事業を始めたきっかけはなんでしょうか。

スロヴェイ: ウクライナに帰国したときに日本からのお土産を渡すと「次もあれが欲しい」「今度はこれを買ってほしい」と頼まれることが多かったのです。日本の滞在歴が長い私には当たり前でも、海外では日本の商品に対するニーズが高いのだと気づきました。個人レベルのニーズに応えるだけでも、ビジネスのポテンシャルがあるという気づきが購入代行の会社を始めようと決意したきっかけです。

海外にいるユーザーに代わって購入し、発送するのが越境ECサービスです。転売行為と混同されることが多いのですが、我々が取り扱う商品のすべては販売元から卸していただいたもの、ユーザーからのリクエストを受けて仕入れを行うという点、商品代金に応じた手数料をいただく点以外は通常の小売りと何ら変わりません。

ただ、運送会社、税関、決済手段など立ち上げ当初から、解決すべき課題が多く、その度に4人で助け合ってきました。株式会社となって社員が400人を越えた今でも、4人が代表取締役を務める珍しい会社だと思います。

左からスロヴェイ・ヴィヤチェスラヴさん、ソン・マルガリータさん、ナウモヴ・アンドリイさん、コーピル・オレクサンドルさん。全員が代表取締役という珍しい経営スタイル

――「ZenMarket」は10年余りで5つのサービス、19言語対応で181の国・地域をカバーするなど目覚ましい成長を遂げられています。成長の秘訣は?

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