連載:第72回 組織作り その要諦
ミッションが浸透していれば人は辞めない。リーダーが行った仕組みづくりと理念の共有
デザイン系サロン「Ash」など多数のブランドサロンを抱えることで知られる株式会社アルテ ジェネシスの創業者・吉原直樹会長は、創業から1代で美容室チェーンとしては異例の上場を達成。チェーン売上198億円、店舗数343店舗(2022年12月末)の業界トップクラスの企業に成長させてきました。人材の離職が多い美容業界においてどのように人が辞めない組織を作ることができたのか。お話を伺いました。
株式会社アルテ ジェネシス
代表取締役会長CEO 吉原 直樹さん
1956年神奈川県生まれ。1978年タカラベルモントに入社。1981年美容室チェーンに転職し、店舗開発、店舗運営を手がける。1988年に有限会社アルテを設立。2004年8月に美容業界では2番目の上場を果たす。2022年6月MBOにより非上場化。2024年4月親会社である株式会社ジェネシスと合併し、「株式会社アルテ ジェネシス」へ商号変更。
“暖簾分け”が実現した安心して夢を叶えられる場所
――株式会社アルテ ジェネシスが、美容業界においてこれほどまでに成長できた理由はなんでしょうか?
吉原直樹さん(以下、吉原): 店舗のデザインや出店場所、金融機関からの融資など経営テクニックは数多くありますが、業界で2番目の上場を果たせた一番の理由は、確実に店舗数を増やし、規模を拡大し続けてこられたからです。そしてそれは、ひとえに人が辞めない組織を作れたからです。
今も昔も、美容事業で一番大変なのは人材の確保です。資金があって店を増やそうとしても肝心の美容師がいないんですね。というのも、独立したいと考えている美容師は昔から多いですし、引き抜きや転職、結婚による退職なども多く、人材が定着しないことが美容業界の大きな課題になっています。
そのため、美容業界ではこれまで、経営者が店を増やそうとしても、人が定着せずなかなか事業を拡大しづらい側面がありました。
また、すべてが円満に行くわけでもなく、師匠を裏切るようなかたちで、すぐ隣りで店を始めたり、従業員を一緒に引き抜いていったり、お客さんを連れて行ってしまうなど、独立に際してのトラブルも多かったのです。
美容室を開業する前のセールスマン時代にそういう確執を目撃したこともあって、もっと平和にできないのかなと思っていたんです。
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