連載:第70回 組織作り その要諦
経営者として「絶対に逃げない」。PAPABUBBLEを変えた越智氏の組織づくりの神髄に迫る
越智 大志さんは株式会社PAPABUBBLE JAPAN代表取締役に就任後、現場のスタッフが店舗の売上額すらわからない状況から社員の意識改革を推進してきました。経営者として「絶対に逃げない」信念から社員と対話を続けた結果、社員の意識が少しずつ変わりはじめたと言います。改革の経緯についてお話を伺いました。
株式会社PAPABUBBLE JAPAN
代表取締役 越智 大志(おち ひろし)さん
大学卒業後、株式会社電通で20年間務め、デジタル広告を中心としたマーケティングを担当。その後、2021年4月に株式会社ゴンチャ ジャパンのCSOとして入社し、翌年にはCMOも兼務。2023年4月に、株式会社PAPABUBBLE JAPANのCEOへ就任。
就任すぐにスピード改革が始まった
――CEO就任当初、どのような感想をお持ちでしたか?
越智 大志さん(以下、越智): 就任前からスピード感を持って解決しなくてはならないと感じたことが2つあります。
1つはブランディングについて、就任当初のPAPABUBBLEは、ブランドイメージを明確に打ち出せていませんでした。
PAPABUBBLEといえば、職人が目の前で溶けた飴を練りあげたり、手早く形作るパフォーマンスを思い浮かべる方が多いと思います。実際、わざわざ店舗へパフォーマンスを見るためだけに足を運ぶお客様もいるくらいなんですよ。
私はPAPABUBBLEの強みを、「スペイン・バルセロナ発のカラフルな飴細工」「職人の手作り」「目の前で行われるライブエンターテインメント」の3点だと考えていました。これは、ほかのお菓子屋にはない、唯一無二の強みだと思うんですね。ブランドの主軸をこの3点に置くところから始めるべきだと考えました。
PAPABUBBLEでは目の前で飴を作り上げていくライブパフォーマンスで一躍話題になった
越智: しかし、私が入社した当初、社員自身にはパフォーマンスを売りにしているという意識がなかったんです。「売っているのは飴」という考えから抜け出せていませんでした。
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