連載:第5回 採用 独自ノウハウを聞く
志望動機で人材は見極められない。面接の誤解や失敗から学ぶ「人を選ぶ技術」
人手不足が叫ばれる昨今。「優秀な人材だと思って採用したのに、実際に入社してもらったら印象が違った」「採用してもすぐに辞められてしまう」といった悩みを抱えている企業も多いのでは?世界最高峰のヘッドハンティング会社で、一流企業をはじめ5000名以上の経営人材の見極めを行ってきたキャリアを持つ小野壮彦さんは、「人を見る目はセンスではなく、トレーニングで習得できるもの」と語ります。今回は小野さんに、日本企業がやってしまいがちな面接のNG例や間違った評価をしないためのポイント、人を見るためのフレームワークについて語っていただきました。
「志望動機」「自身の強み」を聞くのは非効率。その理由は?
――まさに「人を見抜くプロ」と言えるキャリアをお持ちの小野さんですが、著書『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』では、ダメな面接の典型パターンとして「志望動機を聞く」ということを挙げられていました。この理由について教えていただけますか?
小野壮彦さん(以下、小野): まず前提として、 面接という限られた時間の中で、その人物の本質を理解し、見抜くことはとても難しい。 圧倒的に時間が足りないのです。
その点において「志望動機を教えてください」という質問は、非効率な質問であると言えるでしょう。同様の質問に、「あなたの強みをお話ください」「どんな企業文化の会社で働きたいですか?」といった内容も挙げられます。
これらを聞くのが非効率である理由。それは、事前準備が物を言うタイプの質問であるから。このような質問ばかりだと、事前のリサーチや準備を綿密に行い、 “当日よい答弁を行った人”が高評価となるだけ です。そのため、その方が実際に組織で高いパフォーマンスを発揮できるかどうかは見抜けないでしょう。そんな質問に時間を割くのは、非常にもったいないですよね。これは入社後のギャップにも繋がりますし、機会損失しているとも言えます。
このような「意見表明」を聞くだけの面接を行っている企業が、まだまだ多いのは事実です。
――そこから脱するためにはどうしたらいいのでしょうか。
小野: たとえば、「自社のカルチャーにあう人物を採用したい」という意図はもちろんわかります。しかし、そのために「どんなカルチャーがある企業で働きたいか」という質問を投げかけてもダメです。それでは、聞きたいことを単純に質問にかえて投げているだけです。
では、何を聞けばよいのか。
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バックナンバー (7)
採用 独自ノウハウを聞く
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