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連載:第7回 組織改革 その根幹

指示待ち組織を変えたリーダーが徹底したこと。超トップダウンから自律型組織への軌跡

BizHint 編集部 2025年8月20日(水)掲載
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自動車販売・整備を手がける株式会社ロイヤルオートサービス。中田忠章社長が舵取りを始めた2013年当初、組織は深刻な指示待ち状態に陥っていました。「社長がこう言っているから」——店長たちは自分の意見を持たず、ただ上からの指示を待つだけ。しかし現在では、店長たちが自ら各店舗の目標を設定し、具体的な行動計画を立てて実行しています。売上も一時期38億円まで落ち込んだものの、2024年には48億円へとV字回復。社員の主体性が劇的に向上し、真の自律型組織へと変貌を遂げています。この変革を支えたのは、リーダーが徹底したある行動でした。中田社長が辿った組織変革の軌跡を追います。

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取引先からも指摘された指示待ち組織の実態

――2013年の社長就任当時、組織はどのような状況だったのでしょうか?

中田忠章さん(以下、中田): 当時は先代である父が築き上げた完全なトップダウン体制でした。例えば、取引先とのやり取りにおいて、現場で判断できるようなことも「社長に確認しないと決められません」「一度上に聞いてみます」となるほど、自分たちで考えることができない組織になっていました。取引先から「現場レベルで判断してもらえない」と指摘されるほどでした。

その結果、様々な弊害が起きていました。現場で判断すべきことも全て上司の確認待ちとなるため、上司が不在のときは業務が完全にストップしてしまう。「大至急対応」のFAXが届いても、担当者は「社長に確認してから」と判断を先送りし、結果的に対応が遅れる。お客様からの問い合わせに対しても「確認して後日回答します」という返答ばかりで、その場での解決ができない組織になっていました。

この状況を見て、自分一人でマネジメントすることは不可能だと痛感しました。今後会社を発展させていく上で、社員自身が自分たちで考えて行動していかないと発展は見込めない。お客様への対応も、指示されて「言われたからやっている」のではなく、自分たちで考えて行動することで、お客様に与える印象も変わる。自分たちで動いていかないといけないと強く感じたんです。

――では、どのように変革を進めたのでしょうか?

中田: 実は社長に就任してからすぐに、社員たちが自分で考えて行動していけるようにと、社内の権限委譲を進めていきました。でも、これがうまくいかず、失敗したんです。

当時の私はというと、自分の思い描く「こうやってほしい」「こういう組織になってほしい」という理想を「部下たちはなぜ実現してくれないのか?」と、ずっと思い悩んでいました。そのため、部下の行動を変えようと様々な働きかけをしていましたが、「全然変わってくれない…」とすら思っていたんですね。

そんなとき、偶然「社長の意図が部下に伝わらないのはなぜ?」と題した研修のダイレクトメールが届いたんです。自分が抱えている悩みそのものだと感じ、すぐに参加を決めました。

その研修で私はある衝撃的なことに気づかされました。

参加者同士で「部下に指示を出す場面」のロールプレイングを行ったのですが、私は当然、詳細で分かりやすい指示を出したつもりでした。 ところが講師から「それでは部下は成長しませんね。なぜなら部下が考える機会を奪っているからです」と指摘されたんです。

さらに 「組織を変えたいなら、まず社長自身が変わらなければいけません。部下を変えようとする前に、自分のやり方を見直してください」 と言われました。 その瞬間、私はハッとしました。私はずっと「なぜ部下は変わってくれないのか」と思っていたからです。

ただ、具体的にどう変わればいいのかは、まだ分からないままでした。そんなとき、研修を一緒に受けていた当社のCOOから決定的な一言を言われて、ようやく本質が見えたんです。

――その一言とは何だったのでしょうか?

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