連載:第13回 リーダーが紡ぐ組織力
あなたは反対する部下を“説得”していませんか?強い組織を作るためにリーダーがやるべき3つのこと
金属加工業を営む町工場の3代目でありながら、自分のやりたいことを実現するために「日本ツクリダス株式会社」を設立した角野嘉一社長。「モノづくり」と「コトづくり」の両輪で様々な事業を展開し、初年度1億2000万円だった売上は2021年度には約3億円に到達しました。平均年齢36歳、26名の社員の中には、元自衛官や元作曲家、元市役所職員など、さまざまな経歴を持つ人材が活躍しています。また、コンサルティングを通じて他の町工場にも惜しみなくノウハウを伝授し、中小企業の悩み相談に乗っている角野社長は「リーダーが組織を強くするために、気づいてほしいことがある」と話します。多様なメンバーを率い、「仕事を楽しむ」ことを大切にする角野社長に、これまで行ってきた事業と組織作りの方法について伺いました。
日本ツクリダス株式会社
代表取締役 角野 嘉一さん
2001年に大学を卒業後、大手自動車買取会社やスノーボード会社で営業や新規事業の立ち上げなどに携わる。2005年に家業に入り、当時まだ珍しかったネット集客を始めると、集客やホームページ制作の相談を受けるように。2009年に家業にいながら個人事業主として独立し、2013年3月に3名で日本ツクリダスを設立。
3代目として育つも、後を継がずに独立
――角野社長は町工場の3代目後継ぎだったそうですが、なぜ独立しようと思われたのでしょうか?
角野嘉一(以下、角野): ネガティブ半分ポジティブ半分なのですが、「自分のやりたいことをやりたい」と思うようになったからです。
町工場でよく聞くのが「機械を動かしてなんぼ」という考え方。「機械を回している時間が売り上げを上げている時間」という感覚だから、機械を止めることを嫌うんですよね。
私はどちらかというと「まずは仕事を確保することが重要」と考えるので、機械を止めてでも仕事を取ろうとしていました。しかし、昔ながらの町工場だった家業では、その考えを良しとしない空気感があったんです。
「やりたいことがなかなかできない、じゃあ自分でやろう」という思いが強くなり、独立することにしました。
――設立した日本ツクリダスの事業内容を教えて下さい。
角野: 当社は「モノづくり」と「コトづくり」を行う、モノづくりサービス業の会社です。特徴的なのは、我々自身が自社のビジネスを展開するために必要だった仕組みを同じ製造業の皆さんにもご提供し、ご支援させてもらっていることです。
当社の「モノづくり」事業には2つの柱があります。1つは祖業である金属加工の製造商社、もう1つは旋盤・フライス加工を中心とした自社で行う金属加工です。
「コトづくり」事業ではSaaS型の生産管理システム「エムネットくらうど」の開発・販売をはじめ、長年行ってきたインサイドセールスで蓄積したホームページ制作やちらし、イラストや漫画などのデザインノウハウを提供しています。その他にも、コンサル業やパソコン販売、講師のご依頼があればお受けするなど、需要があればどんなことにもお応えするというスタイルでやっています。
――多角経営となるきっかけは何だったのでしょうか。
角野: 協力会社さんやお客様から、当社の行ってきたネット集客やブランディング、リフォームなどのやり方について相談されたことです。「新事業をやるぞ!」と立ち上げたのではなく、自然に新事業になっていった感覚です。
特に「エムネットくらうど」については、少しおこがましい言い方かもしれないですけど「自分も必要だったから他社も絶対にいるはずだ!」という強い思い込みでサービス化しました(笑)
組織を強くするのに必要なことは「反対派の説得」ではない。
――町工場の中でシステムも作るという柱の立て方はかなり大胆であるように思われます。事業を拡大されていく中で、社員さんからの反対はありましたか?
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