連載:第14回 リーダーが紡ぐ組織力
社長は権限委譲をしない。ヒットを生み出し続ける組織の礎にあるもの
父から事業を受け継いだ水道工事事業、タピオカミルクティー発祥といわれる台湾の老舗カフェ「春水堂」の運営、スーツのような作業着を販売するアパレルブランド「WWS・ワークウェアスーツ」と全て異業種ながら、立て続けに大ヒットを連発。イノベーションを起こし続ける企業、株式会社オアシスライフスタイルグループの代表取締役CEO 関谷有三さんは、ヒットを生み出せる組織づくりにおいて大切なのは「人材採用」だといいます。今回は関谷さんが考える、採用や人材育成についてお伺いしました。
株式会社オアシスライフスタイルグループ
代表取締役CEO 関谷有三さん
1977年栃木県生まれ。倒産寸前だった実家の水道工事会社を立て直した後、台湾で人気の老舗カフェブランド「春水堂」に惚れ込み、3年かけ日本への上陸を実現。またスーツに見える作業着「WWS・ワークウェアスーツ」を素材の開発から販売まで手掛け、累計販売着数20万着突破。水道・飲食・アパレルと他業種でヒットを収めたことから、メディアでは「令和のヒットメーカー」と呼ばれる。
異なる業種で成功した理由はイノベーションを起こす組織を作れたから
――様々な事業を成功させるうえで、特に採用を重視されているそうですが、その理由を教えてください。
関谷有三さん(以下、関谷): 0から1を生み出す会社にとって一番大切なのが人材だからです。私自身、「何をするか」ではなく
「誰と働くか」が仕事をするうえで非常に大事なことだと思っています。
例えば、海外初出店となる台湾の老舗カフェ「春水堂」は何度も台湾の創業者の元に足を運んでようやく世界初の海外出店を許されたんです。企画書を直しては台湾に向かい、そこで指摘された点を修正し、また台湾に向かい…。創業者に認めていただけるまで何度も何度も足を運びました。
それだけ苦労してもオープンしてしばらくすると、だんだん客足は遠のいてしまったんです。最終的には台湾の麺料理を提供したことがきっかけでランチ利用が増え、リピーターの獲得につながりました。ただ、そこに至るまでに、メニューにおにぎりを出したり、ロールケーキを出したり、ダメならまた次の手を考えてと何度も試しました。
「WWS」も同様で、様々な生地を取り寄せては試作を何度も繰り返しました。ただ、どうしても納得のいく生地がなく、最終的にはオリジナルの生地を作るに至りました。本来は我々がかつて運営していた水道事業のユニフォームとして開発したものでしたが、あまりにも出来がよかったため事業化する流れになりました。
どちらにも共通しているのは、イノベーションには失敗がつきものであり、成功するまでPDCAを繰り返さなくてはいけないということです。そのためには、切磋琢磨できる仲間が絶対に必要です。単純に数が多ければいいということでも、学歴や地頭が良ければいいということだけでもありません。
私たちは様々な事業をやっていることもあり、とても変化も多い会社です。全員が新しいイノベーションに貢献できるメンバーである、それが新規事業をヒットさせることができた大きな要因だと思います。
採用基準に「センス」を用いる理由
――採用面接ではどういう点を重視されていますか。
関谷: イノベーションを大切にしている弊社の環境にフィットするか、あとは本人の持つ「センス」ですね。
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