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連載:第22回 慣習に囚われない 改革の舞台裏

小説と同じ展開が次々起こる。Excelマニアの戦略家社長、2年で利益20倍も「計画通りなんです」

BizHint 編集部 2022年6月1日(水)掲載
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市況の変化に対応し生き残るため「企業の合併」という手段は度々講じられます。株式会社ベルテクスコーポレーションは、土木工事向けのコンクリート二次製品の有力メーカー4社を統合する形で2018年に誕生しました。2014年にまず3社、そして2018年にもう1社が合併。いわゆる、業界再編です。同社は合併後、営業利益率14%(2021年3月期)という業界でも抜きん出た収益力を誇っています。今回は同社の代表取締役社長・土屋明秀さんに、業界再編のプロセスや異文化の組織を一つにしていく手法を伺います。そこにあったのは「バイブルとなる小説」と「Excel」、そして「理想のトップとの出会い」でした。

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株式会社ベルテクスコーポレーション
代表取締役社長 土屋 明秀 さん

同志社大学卒業後、鈴木自動車工業株式会社入社。1992年、丸栄コンクリート工業株式会社入社。2005年、日本ゼニスパイプ株式会社入社。2017年、ゼニス羽田株式会社代表取締役社長に就任。営業企画、経営企画業務に長年携わる。


経営スタンスの礎は、三枝匡さんの小説三部作

――いわゆる「業界再編」を実行した土屋社長の経営手腕は、旧態依然のイメージがある土木業界では異色に感じます。どのようなご経験がご自身の経営感覚や思考の土台になっているのでしょうか?

土屋明秀さん(以下、土屋): 私はもともとコンクリート業界の出身ではなく、最初のキャリアはスズキでの軽自動車の営業でした。営業といってもショールームでの販売ではなく、業販部門という、自動車修理工場などに販売店になってもらうことでエリア内のスズキシェアを上げていく仕事です。

競合が高いシェアを持つ地域に攻め込むには、どの店をパートナーにすればいいかを考えたり、自動車修理工場の社長さんに展示会の企画を持ちかけて販促物や看板づくりを支援して関係構築を図ったり…いろいろな仕掛けを考えては実行する毎日でした。

ここでは、 『何かを売るには戦略が大事』 ということを学びました。若いうちに、しかも実践でこれを身につけたことは本当に大きかったです。 「ゴールを設定して、そこに至るための戦略を練り、仕掛ける」というアプローチは、今日に至る私の仕事のベースになっています。

――「経営」という視点ではいかがでしょうか?

土屋: 三枝匡さんの小説、「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「V字回復の経営」という三部作ですね。これを読んでいるうちに、まるで自分が主人公になったように感じながらのめり込んでいき 『いつか会社の参謀になって、落ち込んでいる会社を改革したり、組織を活性化する経営の仕事がしたい』 と思うようになりました。

今でも何度も読み返しますし、色々な人に配っています。もう何冊買ったかわからないくらいです(笑)。 自分の中に宿っている経営感覚は、大袈裟でもなんでもなく、この本が礎になっています。

――有名な書籍ではありますが、ものすごい影響力ですね。

土屋: 日々仕事をしていると、いろいろな課題に直面しますよね?それが…小説にあるシチュエーションとそっくりなんですよ。そこで主人公が何と闘い、誰とどんな話をし、どう決断し行動したか…?実際に 自分がそういう場面に直面したときに、主人公と同じように自分も決断して行動してみると…小説とまったく同じことが起こるんです!…いや、これほんとなんですよ!びっくりしました!

小説は三枝さんのご経験をもとに書かれているわけですが、これが本当にリアルで。業界に根付いている慣習や、組織体ならではの意思決定、立場による考え方の違いなど、参考になる部分が本当に多いんです。ぜひ読んでみてください。おすすめです!

ゴールへの戦略。うまく行きそうなアイデアは試してみたくてしょうがない。

――では、コンクリート業界に入られた経緯は?

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