連載:第28回 慣習に囚われない 改革の舞台裏
ドミノ・ピザCEOの「現場を動かすリーダー論」。大手最下位から業界1位に復活させた軌跡
1985年、日本にピザの宅配サービスを初めて展開した株式会社ドミノ・ピザ ジャパンは、売上において宅配ピザ業界で第3位に甘んじていた時期がありました。しかし、2018年に同社CEOに就任したジョシュ・キリムニック氏の手腕により1年で宅配ピザ業界第1位に返り咲きました。さらにドミノ・ピザ ジャパンは成長を続け2021年には47都道府県全県進出(863店舗) を果たし、2023年10月10日に1000店舗オープンを達成。2023年まで毎年業績を伸ばし続けています。当時「600店舗が限界」と言われていたなか、1000店舗の出店を目標に経営改革に取り組みました。そんなジョシュさんにドミノ・ピザを急成長させ続けてきた経緯、そして成長が停滞していた組織に伝えたメッセージとトップの「あるべき考え方」についてお話を伺いました。
ドミノ・ピザ エンタープライズ ASIA
CEO ジョシュ・キリムニック さん
オーストラリア生まれ。1992年にオーストラリアのドミノ・ピザで店舗マネージャーとなり、ドミノ・ピザ ニュージーランドにてジェネラルマネージャーに就任。中東、アフリカ、トルコにて取締役を、中東、アフリカ、中央アジア、東ヨーロッパにて副社長を務めた。2018年1月1日、ドミノ・ピザ ジャパン史上最年少の38歳で現職に就任。
同社史上最年少CEOが業界No.1に返り咲くために行なった大胆な作戦
――CEOに就任直後の社内の雰囲気について教えてください。
ジョシュ・キリムニックさん(以下、ジョシュ): 素晴らしい経験や知識を持った社員が大勢いるにもかかわらず、企業が成長するための具体的な目標や意欲が不足している、と感じました。
当時、「国内のキャパシティは600店舗が限界だろう」という考えが上層部の間でも広がっていました。そのため当時の成長戦略は、ドミノ・ピザを成熟期として捉えた消極的に思えるものでした。会社の方針も「コスト削減」のように完全に守りに入っていたのです。
就任直後、まず行ったことはその雰囲気を壊すことです。ドミノ・ピザはまだまだ成長期にある企業だと定義し、もっとポジティブなアクションに舵を切ったのです。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (29)
慣習に囚われない 改革の舞台裏
- 第29回 全社員の反対、涙でも貫いた経営者の覚悟。従業員の意識を変えた、たったひとつの“指針”
- 第28回 ドミノ・ピザCEOの「現場を動かすリーダー論」。大手最下位から業界1位に復活させた軌跡
- 第27回 人が辞めない組織に生まれ変わった町工場。キーエンスで学んだ「会社づくりの極意」とは
- 第26回 「どうせ潰れる、お前がとどめを刺す勢いで」の檄で目が覚めた。ダメ水族館をV字回復させた「7つの当たり前」
- 第25回 賃上げは絶対条件。地方中小を次々と健全化する社長。伸びしろの見極め基準が興味深い