連載:第6回 ヒット商品を生む組織
奇跡の潤滑剤「ベルハンマー」を生み出したスズキ機工が考える、中小企業がヒット商品を生むための「3つの法則」
高性能な潤滑剤「ベルハンマー」を作り出すスズキ機工。コロナ禍であっても近年大きく業績を伸ばしています。社長の鈴木豊さんが会社を継いだ頃は赤字が続き、業界では倒産する企業も少なくなかったと言います。経営を立て直すなかで欠かせなかったのは自社ブランド商品の開発。ベルハンマーができるまでと、スズキ機工のヒット商品を作り出す秘訣を聞いていきます。
スズキ機工株式会社
代表取締役 鈴木 豊 さん
1969年生まれ、千葉県松戸市出身。食品原料商社に勤務の後、父が創業したスズキ機工に97年に入社。それまでの一斗缶の製造機械事業から食品製造機械の事業に転換する。その後、機械事業で得た知見から独自ブランド潤滑剤「ベルハンマー」をはじめ様々なプロ仕様の工業製品を開発。
付き合っていたメーカーはすべて倒産、活路はどこだ!?
――まず、鈴木社長がどのように事業を承継したのかを教えて下さい。
鈴木豊さん(以下、鈴木): スズキ機工は、私の父が18L缶(一斗缶)製造機械の修理メンテナンスを主要事業として、事業を開始しました。
小さな平屋に家族5人で住み、その一室を事務所にした小さなスタートでしたが、高度経済成長期の波に乗り、関東圏の製缶会社との取引を拡大していきます。業績も好調で自社工場も建設し、韓国やマレーシアなどに製缶ラインのプラント輸出なども行っていました。
ところが、バブル崩壊とともに、業績は悪化の一途をたどることになります。当時は、売り上げ95%以上を一斗缶メーカーに依存していましたが、世の中はダイエーの「価格破壊」に代表されるように値下げ競争に突き進んでいきました。一斗缶はJIS規格で標準化された商品です。そのため、買い手からすればどこで買ってもモノは一緒。となれば、価格破壊はさらに激化していきます。1992年頃に全体で約2億3442万缶だった一斗缶の出荷数も激減していきます。
業界が縮小すると、体力のない中小メーカーから大きな影響を受けてゆきます。結果的にスズキ機工の取引先だった9社はすべて倒産・廃業。自社でメンテナンスできる規模のメーカーしか生き残らず、「中小メーカーの外部の保全課」という形でぶら下がっていた弊社の業績は壮絶な勢いで冷え込んでいきます。 そんな業績が悪化していく1997年に私は父から入社して力を貸して欲しいとお願いされました。
――入社後に取り組まれたことを教えて下さい。
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