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連載:第11回 Hop Step DX~デジタルトランスフォーメーションでつかむ次の成長

貴社の情シス・DX担当に読んでほしい。「私はこれで、会社を変えました」総務大臣賞受賞者の日常

BizHint 編集部 2022年4月1日(金)掲載
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近年高い注目を集めている「デジタルトランスフォーメーション=DX」ですが、特に人的資源が限られる中小企業では「DXに対応できる人材がいない」ことが大きな課題です。和歌山県にある城善建設株式会社では、ある一人の社員がDXを先導し、業務プロセスの大きな変革に成功しています。立役者は同社の管理部IT情報システム マネージャー、和田正典さんです。和田さんのお話には、IT知識よりもっと重要なスキルをはじめ、現場・経営陣を説得し円滑に改革を進めていくためのヒントが満載でした。

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城善建設株式会社
管理部IT情報システム マネージャー 和田 正典さん

事務機器・光学機器メーカー勤務を経て、2014年に故郷である和歌山へUターン。城善建設株式会社では、情報システム担当者として、業務をDXにより抜本的に改革した「Jyouzen Group Cloud Project」を牽引。2021年12月に「全国中小企業クラウド実践大賞 全国大会」でクラウド実践大賞総務大臣賞を受賞。


DX推進者に大事なのは「利害関係者を巻き込み、話に耳を傾けながら、win-winになれるポイントを見つける」こと

――この度は「全国中小企業クラウド実践大賞 全国大会(主催:クラウド実践大賞実行委員会)」において、総務大臣賞の受賞おめでとうございます! 和田さんは城善建設株式会社の情報システム担当者として、貴社のDX改革を牽引されたそうですね。

和田正典さん(以下、和田): ありがとうございます。独自のシステム開発などではなく、市販されている3つのITツールを組み合わせるというシンプルかつ敷居の低いDX改革で、様々な業務の効率化を実現した点が評価されたと思っています。しかし、当社に入社したのは新規事業を担当するためで、 そもそも「情報システム」の仕事をするために入社したわけではないんです(笑)。

※城善建設株式会社のDX改革の詳細についてはこちら>>

――そうなんですね! 一体どういった経緯で今のポジションに就かれたのでしょうか…?

和田: 入社後、新規事業を進めていたものの、社内のIT化が進んでいない状況が気になりだしてしまったんです。

当時、1人1台パソコンは持っているものの、LANケーブルがぐちゃぐちゃで、ネットに繋がっていない人がいたり、そもそもどこに何がつながっているのかわからなかったり…。また、なぜか社員がパソコンをよく落としていて(笑)、データが消えてしまったりしていたんです。このような社内の状態では情報セキュリティの確保はおろか、お客様への対応にも支障をきたします。

そんな状況に居ても立っても居られなくなり、 社長に「私に情報システム担当をやらせてください」と直訴しました。 社長はじめ、管理職の方々もIT化の現状に課題を持っていたようで承諾いただきまして、最初は新規事業と情報システムを兼務していました。

しかし、情報システムの仕事が社内で存在感が大きくなったこともあり、そちらに専念することに。社内で情報システム担当者は私だけですので、いわゆる「ひとり情シス」ですね。

――ちなみに、和田さんは城善建設への入社以前はどのような仕事をされていたのですか?

和田: 私のキャリアは、IT関係ではあるものの、どちらかというとハードウェア寄りだったということもあり、「プログラムをゴリゴリ書く」といったような業務はしていません。買付や開発購買担当者として、社外の様々な関係者との調整や交渉、社内の関係部署と連携しながら仕事を進めていくことがほとんどでした。

様々な利害関係者を巻き込み、相手の話に耳を傾けながら、どうしたらお互いwin-winになれるかという一致点を探り、ビジネスを進めていく。 これって実は情シスの仕事にも共通する部分が多いなと感じています。当社で進めたDX改革も、社員一人ひとりの仕事の進め方を聞くことから始まりましたから。

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