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組織の形を変えて情報伝達を早くしたら、課長職が要らなくなった老舗企業の話

BizHint 編集部 2022年1月19日(水)掲載
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創業135年の株式会社カクイチ。長野で銅鉄金物店として創業以来、国内有数のホースメーカーでありながらガレージ・倉庫・物置事業や太陽光発電パートナー事業、AIを活用した農業分野への参入など幅広い事業を展開しています。同社では、称賛文化を創出する「Unipos」とビジネスチャット「Slack」の導入をきっかけにDXが進み、ヒエラルキー型からネットワーク型の組織に生まれ変わったといいます。5代目社長である代表取締役の田中離有氏に導入の経緯と効果を聞きました。

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株式会社カクイチ
代表取締役社長 田中 離有さん

1962年、長野県生まれ。慶応義塾大学商学部卒。1990年、米国ジョージタウン大学でMBA取得。株式会社カクイチに入社。2001年、同社代表取締役副社長、2014年、同社5代目として代表取締役社長に就任。11事業で、8つのグループ会社を運営する。


フラットな組織よりも機敏に動けるネットワーク組織に

田中離有さん(以下、田中): 私が2014年に社長を継いでから、「情報伝達のスピードを高めたい」とまず強く思ったのです。

以前、私が西日本の責任者として各拠点を飛び回っていたとき、チームメンバーには社用のiPhoneを渡してLINEでコミュニケーションを取っていました。現場では職人さんとのやりとりにはLINEを使うことも多いですから、瞬時に連絡が取り合えるあのスピード感が良かった。

同じようにできないかと思って、情報システム部に「LINEで連絡の運用をできないか?」と相談したところ、セキュリティ面から「だめだ」と反対されてしまいました。そこから、カクイチのITツール導入とDXへの取り組みが始まります。

私個人は2010年頃にiPadを使い始めています。ノートパソコンに比べて軽量で持ち運びしやすく、お客様との商談や打ち合わせに使いやすい。クラウドの必要性を感じていろいろなアプリをインストールしていました。

そもそも、カクイチは他社に比べるとIT化は遅れていました。2014年まで全員に業務用メールアドレスが支給されていなかったほどITリテラシーが低い組織です。当時、本社のシステム部に相談を持ちかけたものの「iPadの導入はやはりセキュリティ上受け入れられない」と話していました。また、社内では「Lotus Notes(ロータスノーツ)」を導入していましたが……。スケジュール管理や日報提出を想定していたのですが、入力の手間が多く全く普及してませんでした。基幹システムは「COBOL(コボル)」を利用していました。導入当時は最先端でしたがイントラネットで処理しなければなりません。しかも、営業所にPCが1、2台しかないのですから。クライアントにメールを返信するためだけに2時間かけて営業所に戻っていたほどで、入力するにも順番待ちしなければならない状況でした。

そもそも、クラウド化には消極的な社風で、固い土壌をつるはしで砕くように変革しようと試みたのですが、社長ではないのでなかなか実現は難しかったのです。同族会社は社長の力が強くなりがちですから、既存のやり方をひっくり返すには時間がかかります。ようやく改革に着手したのは2014年に社長就任してからです。

──UniposやSlackといったツール導入のきっかけは何だったのでしょうか。

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