連載:第3回 自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう
すぐ使える。オンラインセミナーに適した資料作成テクニック
新型コロナウィルスの影響などでセミナーのオンライン化が進む中、運用や資料がオフラインの延長に留まっている企業は少なくありません。「オンラインセミナーは効果が低い…」と判断する前に、腰を据えて「オンラインセミナーに対応した資料」を作り上げることはきっと有益なはず。今回は、資料作成のプロフェッショナル、株式会社ルバートの代表取締役、松上純一郎さんにオンラインセミナーの課題や、明日から使える資料作成テクニックを伺いました。エアーインタラクティブ性、もんたメソッドなどの実践的なアプローチも得られます。
株式会社ルバート
代表取締役 松上 純一郎さん
大阪府高槻市出身。同志社大学文学部卒業、神戸大学大学院修了、英国University of East Anglia修士課程修了。米国戦略コンサルティングファームのモニターグループで、外資系製薬企業のマーケティング・営業戦略、国内企業の海外進出戦略の策定に従事。その後、NGOに転じ、アライアンス・フォーラム財団にて企業の新興国進出サポートや栄養改善プロジェクトに携わる。現在は株式会社ルバート代表取締役を務め、企業に対して中期事業計画策定などのコンサルティングを提供する一方で、自身のコンサルティング経験から2010年より個人向け資料作成講座を開始。現在は、企業向けの研修サービスも提供し、ビジネスパーソンに必要なスキルの普及と啓蒙に努めている。著書は、「PowerPoint資料作成プロフェッショナルの大原則(技術評論社)」「ドリルで学ぶ!人を動かす資料の作り方(日本経済新聞出版社)」。
セミナーのオンライン化で、ハイパフォーマーが苦しんでいる
――対面型セミナーとオンラインセミナーの違いを教えてください。
松上純一郎さん(以下、松上): まず、参加者が注目する先が異なりますよね。対面型のセミナーでは、手元の資料をチラチラ見つつも、やはり登壇者・スピーカーに目が行きますが、 オンラインセミナーではスピーカーではなく、画面に映る資料に注目 しますよね。
つまり、対面型セミナーはスピーカーフォーカス、オンラインセミナーでは資料フォーカスなのです。対面だと表情が豊かで手振り身振りがとてもうまく、人を惹きつけていたスピーカーが、オンラインになった途端に必然的に注目されなくなり、力が半減してしまうという現象が起きます。思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。
また、対面型のセミナーが得意な方は参加者の反応を見ながら話をされますが、これもオンラインでは難しいですよね。オンラインセミナーでは参加者は自端末のカメラをオフにして顔を出していないことも多く、場の空気に合わせてトークを変えられないことも大きな違いです。
――セミナーのオンライン化で、よく聞く課題はありますか?
松上: 象徴的な出来事として「ハイパフォーマーとローパフォーマーの逆転」を耳にします。
対面型のセミナーが得意だった人がオンラインでパフォーマンスを発揮できなくなる一方で、 オンラインのほうがやりやすい・結果を出せるという方が現れてきている というものです。
対面型のセミナーが得意だった方は、それまでと同じ心持ち・やり方でオンラインセミナーに臨んでも、『環境が違うので同じ結果は出ない』ということをまず受け入れる必要があります。
オンラインでセミナーを行うのであれば、「オンラインという環境に適応」していく必要があります。これはとても自然なことだと思います。
――御社では何か変化が起きましたか。
松上: 弊社ではオンラインセミナーの普及はプラスに作用しています。2020年4月に、弊社の研修を紹介する『戦略的プレゼン資料作成講座 オンラインセッション』という2時間の無料オンラインセミナーを開催しました。この時、300人ほどの参加者が集まりました。
知り合いくらいにしか周知していませんでしたが、コロナ禍や緊急事態宣言の発令などもあり、日本全国、また海外からも参加者が集まりました。そしてこのセミナーの後、個別のセミナーに多くのお申込をいただきました。 これは対面型のセミナーでは考えられないスピードとボリュームの顧客獲得の成果でした。
オンラインセミナーでは、参加者は迷子になりやすい
――オンラインセミナーを実施する上で大切なことは何でしょうか。
松上: 大きく3つあると思います。
- 1つ目は、全体設計の明示・共有
- 2つ目は、トークの仕方・伝え方
- 3つ目は、 資料作成
です。
――具体的にはどのようなことでしょうか?
松上: 1つ目の「全体設計の明示・共有」ですが、これは『セミナー中、その 目的と現在位置を、参加者にきちんと理解していただく』ということです。
オフライン・オンライン問わず大切なことですが、「今、我々はここにいます」(現在地)、そして「このセミナーではこの目標を目指しています」(目的)、ということを、セミナーの参加者には常に認識していただかなくてはなりません。要は、迷子を作らないことです。
「目次」や「タイムテーブル」を冒頭のみで見せている方があれば、これをセミナーの途中にも挿入するようにしましょう。対面型のセミナーでは参加者は手元にレジュメがあることもあり、多少話を聞き逃しても(今、ここか…)と自力で追いつくことができますが、オンラインセミナーではこれが難しい。結果、現在地がわからず離脱や聞き流しに繋がる要因になります。
スピーカー側の不安を伝えてしまう、ある言葉
――2つ目、トークの仕方・伝え方はいかがでしょうか。
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}