連載:第19回 自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう
2022年4月の改正施行で対象拡大の「女性活躍推進法」。義務となる4ステップの具体的対応
働き方改革の一環として制定された「女性活躍推進法」。政府は2022年7月にも同法を改正し、301人以上を常時雇用する企業などを対象に、男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めました。また2022年4月には、同法の対象となる企業の範囲が拡大されたばかりです。その改正内容や、対象企業がやるべきことなどを解説します。
女性活躍推進法とは
正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といいます。みずからの意思で働く・働こうとする女性が、個性と能力を十分に発揮できるような社会の実現をめざして制定された法律です。2016年4月から、10年間の時限立法として施行されました。
基本原則は以下の3点です。
- 女性に対する採用、昇進などのチャンスを積極的に提供すること
- 仕事と家庭の両立を図るために必要な環境を整備すること
- 女性の仕事と家庭の両立に関し、本人の意思が尊重されること
施行に伴い、対象となる企業には、女性の働き方に関する
- 状況把握・課題分析
- 行動計画の策定・社内通知・社外公表
- 行動計画の届出
- 計画実施と効果測定
という4ステップの義務が課されます。
なお、2022年4月1日の改正施行により、女性活躍推進法の対象となる企業は従来の「常時雇用の労働者数が301人以上」から「常時雇用の労働者数が101人以上」の企業にまで拡大されました。
常時雇用の労働者とは、正社員だけでなく、条件によりパート、契約社員、アルバイトなども含まれる場合があるので注意が必要です。100人以下の企業は「努力義務」となっています。
なぜ女性の活躍推進が必要なのか
日本における働く女性の現状をみると、女性の力が十分に発揮できているとはいえないことが分かります。特徴的なデータをいくつか拾ってみましょう。
- 就職を希望しながらも働けていない女性は、 約237万人 。
- 第1子出産を機に離職する女性は、 約5割 。
- 出産・育児後に再就職した場合、パートタイム労働者等になる場合が多く、女性雇用者における非正規雇用労働者の割合は、 6割近く 。
- 管理的立場にある女性の割合は近年緩やかな上昇傾向にあるものの、 約15% と国際的に見て低い水準にある。
(以上、総務省「令和2年労働力調査」より)
日本は急速な少子高齢化による人口減少、また労働力不足の問題を抱えています。ニーズの多様化やグローバル化に対応するためにも、企業などにおける人材の多様性(ダイバーシティ)を確保することが不可欠であり、女性の活躍の推進が重要です。
対象企業に求められる取り組みとは
この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})
{{selectedUser.name}}
{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}
{{selectedUser.comment}}
{{selectedUser.introduction}}
バックナンバー (21)
自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう
- 第21回 これって労災?リモートワーク中の事故、企業が準備しておくべきこととは?
- 第20回 18才から成年ですよ!学生・若者の雇用。変わらないこと、変わること。
- 第19回 2022年4月の改正施行で対象拡大の「女性活躍推進法」。義務となる4ステップの具体的対応
- 第18回 大型連休明け、社員のメンタル不調が見えたら?会社として向き合うための基礎知識
- 第17回 経営者の生活は?家族・財産は?倒産を決断する前に知っておくべきこと