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連載:第20回 自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう

18才から成年ですよ!学生・若者の雇用。変わらないこと、変わること。

BizHint 編集部 2022年6月2日(木)掲載
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2022年4月1日より改正民法が施行され「18才で成人」となりました。これまで18~19才の若者を雇用したり、学生アルバイトなどを活用していた企業は、この法改正によってどのような対応が必要になるのでしょうか? 変わることと変わらないこと、そして留意しておくべき点を解説します。

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18才を成年とする民法改正

「18才をもって、成年とする。」 との改正民法が2022年4月1日に施行されました(民法第4条)。

これは、近年、憲法改正国民投票の投票権年齢や、公職選挙法の選挙権年齢などといった、国政上の重要な事項の判断において、18才、19才の若者を大人として扱うこととされたことを踏まえ、市民生活に関する基本法である民法においても、18才以上の若者を大人として取り扱うのが相当であるとの議論を踏まえたものです。別の言い方をすれば、18才、19才の若者の自己決定権を尊重し、積極的な社会参加を促すということもできるでしょう。

ところで、ビジネスの世界においては、18才をもって成年とされたことによって、変更が生じるものがある一方で、従前どおりで差し支えないものもあります。そこで、本稿では、主に企業における労務管理の観点から、成年年齢変更に伴う注意点について解説します。

労働時間に関する規律や飲酒に関する規律において変更はない

これまでも、労働基準法においては、18才未満を年少者と定義し、原則として、

  1. 36協定を締結しても1日8時間、1週40時間を超えて働かせることはできない
  2. 変形労働時間制やフレックスタイム制などを適用することはできない
  3. 深夜(午後10時から午前5時)に働かせることはできない

などの規律がありました(労働基準法第60条、第61条など)。

したがって、これらの規律は、成年の年齢が18才となる前からすでに18才、19才の者(以下「若年労働者」)に適用されるものではなく、 民法改正による変更はありません。

また、健康被害の防止の観点などから引き続き20才未満の者が飲酒をすることはできません(未成年者飲酒禁止法第1条)。このため、民法改正後も若年労働者を雇用したのち、歓迎会などの場で 飲酒を勧めることは不適切である といえます。

18才から親権者の同意を得ることなく労働契約の締結が可能に

未成年が契約を締結するためには、原則として父母などの親権者の同意が必要であり、未成年が親権者の同意を得ることなく契約を締結しても親権者はその契約を取り消すことができるとされています(民法第5条第1項、第2項)。

つまり、民法改正以前であれば、若年労働者を雇用する際には、労働契約書において親権者の同意を記載する欄を設けるなど、親権者の同意があることを明らかにしておく必要がありました。親権者の同意がなければ後日当該労働契約を取り消されるおそれがあるからです。
※なお、未成年者の親権者は法定代理権を有しますが、未成年者からの搾取防止の観点から、未成年者に代って労働契約を締結してはならないとされています。(労働基準法第58条第1項)。

ところが、未成年が成年に達した場合は、前述したような制限はなくなります。すなわち、成年になるということは、法的に、 誰かの許可を必要とすることなく単独で有効な契約ができる ということを意味します。

父母(元親権者)の同意を得る必要は一切なくなったのか

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