連載:第3回 テレワーク 生産性の高め方
オフィスを解約し全面テレワークに移行した経営者の決断背景
新型コロナウイルス感染症の対応により、オフィスのあり方が変わりつつあります。多店舗ビジネスを展開する企業をターゲットに、人材教育やマネジメントのDXに活用できる動画学習システムを提供するClipLine株式会社では、東京都港区に構える本社オフィスを4月末で解約すると決めました。現在のオフィスを無くし、テレワークへの全面的な移行を決めた経緯とは? 代表取締役社長の高橋勇人さんと、プロジェクトを推進したビジネス・アクセラレーション部 取締役の遠藤倫生さんに話を聞きました。
アフターコロナでも全面的なリモートワーク継続を決断、その背景は?
──本社オフィスの解約を決断されました。その背景は?
高橋勇人さん(以下、高橋): このオフィスはもともと2021年10月までの契約でしたが、4月末に解約通知を出し7月には退去予定です。一番の理由は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて社員の安全を守ることと、テレワーク勤務が浸透したことです。いくら時差通勤しても電車は避けられませんし、時短勤務しても効率性の問題があります。今後もテレワーク主体の勤務となります。
そもそも2020年の2月頃にはリモート体制が整っていた開発チームから段階的にテレワークの導入を開始しました。3月頃には出社は全体の2割ほどに減り、3月末からは原則出社禁止に。4月の緊急事態宣言を受けて、全社員リモート勤務に移行しました。
──オフィスの解約は大きな決断だったと思います。
高橋: ええ。デスクトップPCでの作業が必要な映像制作の部署や管理部はリモートに限界があるのではと考えていました。リモート実施中の4月に、社員全員と1on1を実施しました。すると、「家で仕事する方が作業の生産性が上がる」と好意的な声が多くあがりました。
一方で「コミュニケーションを取りづらい、ちょっとした質問がしにくい」という意見もありましたが、課題は限定的であることもわかってきたんです。
遠藤: 在宅勤務に移行してから「仕事の環境が整わない」というご要望に対しては、会社で使っている備品を自宅に持ち帰ってもらうことで対応しました。そこから経営会議でオフィス廃止の議論が始まり、オフィス解約を決めたのは4月末頃です。
──コロナ禍以前からリモートは考えていたのでしょうか?
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バックナンバー (6)
テレワーク 生産性の高め方
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