close

はじめての方はご登録ください(無料)

メニュー

BizHint について

カテゴリ

最新情報はニュースレター・SNSで配信中

連載:第3回 慣習に囚われない 改革の舞台裏

資金調達して人も採用できた、でも事業は伸びなかった【食材Eコマース・八面六臂の生存戦略】

BizHint 編集部 2019年3月7日(木)掲載
メインビジュアル

インターネットを活用した飲食店向けの食材Eコマースを展開する八面六臂株式会社。中央卸売市場からの仕入れのみならず、全国各地の産地市場、生産者からの独自仕入れを駆使し、ITを活用した流通モデルを実現してきました。既存流通業者には類を見ない多彩な商品ラインナップが魅力です。代表取締役の松田雅也さんにこれまでどう事業を伸ばし、奮闘してきたのかを聞きました。

メインビジュアル

八面六臂株式会社

代表取締役 松田雅也さん

1980年生まれ大阪府出身。京都大学法学部卒業後、2004年4月UFJ銀行に入社。2005年10月独立系ベンチャーキャピタル入社後、取締役パートナーを経て、2007年5月、エナジーエージェント株式会社(現・八面六臂株式会社)を設立し、代表取締役に就任。2009年6月第2種通信事業(MVNO)を行うG-モバイル株式会社の取締役に就任し事業拡大に貢献。2010年9月同社取締役を辞任し、2011年4月より料理人向けEC事業「八面六臂」サービスを開始。


「料理人向けアスクル」を目指す「八面六臂」の奮闘

――――「八面六臂」が展開するサービスについて教えてください。

松田 雅也さん(以下、松田): 八面六臂は、飲食店を対象に水産物や青果などの食品を販売するECサイトです。顧客はプロの料理人のみで、一般の個人消費者はご利用いただけません。各商品カテゴリー毎の専門バイヤーが仕入れた商品をインターネット経由で発注いただき、自社配送網で各店舗まで配送しています。

目指しているのは「料理人向けのアスクル」 です。今やいろいろな産業でEC化が加速して、企業の参入障壁も低くなりました。誰でも参入できるような時代です。しかし、八面六臂の創業前夜、生鮮食品においてはITの導入が遅れていて、インターネットによる販売がなかなか普及しないといわれていました。「他に誰もやる人がいないなら、自分がやるしかない」。そう決意して2011年4月にスタートしました。

――サービスの規模はどのくらい拡大しているのでしょうか?

松田: 自社配送するということにこだわっているため、配送エリアは一都三県に限定しており、その中でお取引いただいているアクティブな店舗数は現在、約1000店舗ほどです。限られたエリアのようにも見えるかもしれませんが、実はこの一都三県に日本の約半数の飲食店である数十万店舗が集中しており、潜在的な市場規模もとても大きいと考えています。

いい商品を売るだけでなく自らのロジスティックで「届けきる」

―――配送まで自社で手がけているのですね。

松田: 飲食店向け食材の特徴が何だかおわかりですか?「デカい」「冷たい」「濡れている」。これです。水産物や青果をはじめとした生鮮食品は鮮度管理や在庫管理が難しく、また既存の配送業者も運びたがらない商品なのです。そこで、八面六臂では2014年ごろから自社配送に切り替え、現在はすべての荷物を自分たちで運んでいます。

自社配送を行う一番の理由は、食材をお客様のところまで運びきるまで責任をもって届けたい、と考えているから です。つまり、いい商品を売るだけでなくお客様が必要なときまでに必ず「届けきる」ことも八面六臂の重要な仕事だと考えています。

そう考えてさまざまな商品を取り扱える配送網やフルフィルメントセンターの構築を進めてきた結果、現在では水産物や青果、精肉だけでなく、ワインや調味料類など生鮮食品にとどまらないラインナップを手がけています。飲食店としては魚屋、八百屋、精肉店など複数店舗から買い出す手間を省け、また配送コストも削減することができます。

資金調達して、人も採用できた、でも事業は伸びなかった

この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})

close

{{selectedUser.name}}

{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}

{{selectedUser.comment}}

{{selectedUser.introduction}}