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連載:第67回 経営危機からの復活

10年で売上12.5倍、10億円。どん底で経営者が掴んだV字回復の勝ち筋

BizHint 編集部 2024年6月27日(木)掲載
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株式会社日本メディックはコイン式マッサージチェア事業のパイオニアとして大きく成長していました。しかし、取引先の突然の通告から民事再生を申請、ゼロからの再出発を余儀なくされます。再起をかけて販売したマッサージチェア「あんま王」のヒットによって会社はV字回復を果たしました。その立役者である城田裕之会長に、苦境からの復活劇についてお話を伺いました。

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株式会社日本メディック
会長 城田裕之さん

1959年、三重県生まれ。1985年にトレヴィ(現・日本メディック)に入社。2006年に社長に就任。あんま王の企画・開発に携わる。2021年ホールディングス化に伴い会長に就任、同時にアイオイメディックホールディングス代表取締役社長に就任。


順調だった創業期。温泉施設での営業からスタート

――御社はコイン式マッサージチェアのパイオニア企業だそうですね。どのような経緯で事業がスタートしたのですか?

城田裕之さん(以降、城田): トレヴィという会社が、私どもの前身の会社です。私は20代で営業職として入社しました。

トレヴィはマッサージチェアの販売事業を手掛けていました。ただ、当時はまだ家族経営の街の電気屋さんしかなかった時代です。マッサージ機のような大きなものを展示していただけるお店はなく、展示場として温泉、ホテル、健康ランドでお客様にマッサージチェアをお試しいただき、気に入ったら購入していただくという営業手法で業績を伸ばしていました。

ところが、大型の家電量販店が誕生し、またテレビショッピングでもマッサージチェアが買えるようになると、我々の売上はどんどん下がっていきました。

最終的に、営業部門は大赤字になり、営業スタッフを常駐させることも難しくなり、デモ機の引き揚げが決定しました。ただ、マッサージチェアを引き揚げても1円にもなりませんし、デモ機ですから新品と同じ価格で売るわけにもいきません。施設側も「そのまま置いてくれないか」ということで、折衷案として考えたのがコインタイマーの設置でした。

私自身、コインタイマーの設置には懐疑的でしたが結果は大好評。事業が成り立つほどの売上がありました。

そこで、コイン式のマッサージチェアを設置させていただき、得られた収益を施設と折半するという事業へと転換しました。マッサージチェアを置かせてもらえる施設の新規開拓は私がこれまでやってきたことですからノウハウもありましたし、当時は、温泉施設も景気が良かった時代でしたから瞬く間に広がりました。

そのうち、我々からコイン式のマッサージチェアを購入して、その設置ビジネスをする代理店も生まれたりして、コイン式のマッサージチェアは日本全国に大きく広がっていきました。

こうして順調に事業は成長していましたが、思わぬことで会社が存続の危機に陥りました。

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