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連載:第66回 経営危機からの復活

2代目が果たしたV字回復。パーパスの浸透が組織を変えた

BizHint 編集部 2024年6月21日(金)掲載
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株式会社ティーアンドエスは2002年に創業した旅行用品・スーツケースの企画・製造・卸・販売を行うメーカーです。2020年1月、代表取締役社長の斉 真希さんは、創業者の父の入院を機に、コロナ禍の影響で業績が低迷していた家業に戻りました。そして、「3年で黒字化する」と公言し、なんと社長就任から1年半で黒字化を達成。その復活劇のカギは「パーパス」にあったといいます。「パーパス」で組織がどのように変わったのか、変革の舞台裏についてお話を伺いました。

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株式会社ティーアンドエス
代表取締役社長 斉 真希さん

1995年北京生まれ。埼玉県越谷市で幼少期を過ごした後、中国・アメリカで教育を受け、卒業後日本に帰国。デロイトトーマツコンサルティングで戦略コンサルタント、リクルートで事業企画を経験した後、2021年1月から現職。2023年4月より、早稲田大学経営管理研究科夜間主総合MBA在学中。


危機的状況の中、家業へ。20代で経営者に

――経営に携わるようになった経緯について教えてください。

斉 真希さん(以下、斉): ティーアンドエス(以降T&S)の創業者でもある父が2019年12月に突然入院し、半年ほど闘病が続きました。最初は一時的なことだと思っていましたが、徐々に会社の先行きが見えなくなり、父の後を継ぐことを真剣に考え始めたんです。父は私の人生にあまり口出ししないタイプで、事業承継について話したことはありませんでした。また、家族からも家業に入ることを迫られたことはありませんでした。

当時、旅行用スーツケースを取り扱っていたT&Sはコロナ禍の影響により厳しい状況にありました。2020年度の売上が前年の80%も減少していたのです。

T&Sは父が立ち上げた会社という思い入れもありましたし、幼い頃に社員の方と遊んでもらった記憶もある大切な会社でした。そこで、2020年の夏頃から父に「もし、よければ私にやらせてもらえないか?」と申し入れ、事業承継について考えていることを話し合うようになりました。

社長就任を告げると、社内や取引先からは「知らない人がトップになるよりは、先代の娘の方が信頼できる」というおおむねポジティブな意見がありました。そこで安心したと同時に、「絶対に社員を守らなくてはならない」と身が引き締まったのを覚えています。

また、会社のステークホルダーと良好な関係を築いていた父を改めて尊敬する出来事でもありました。

「3年で黒字化する」新社長が立てた計画とは

――危機的状況の中どのような経営手段を取られたのですか?

斉: コロナ禍のような未曽有のピンチの中でできることは限られています。むしろ、コロナが収束してから何をするのか、それまでに何をしておくべきなのかを社内で明確にすることが必要だと感じていました。

そこで、「3年で黒字化する」という目標を掲げ、具体的な施策として新規事業への挑戦、ブランディングの強化などを並べた黒字化に向けた3ヵ年計画を打ち立てたのです。3年としたのは、コロナが収束するタイミングが大体3年くらいになるだろうという推測からです。

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