連載:第11回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」
「業務管理」だけで組織は変わらない。上司が持つべき“見極め力”と社員の主体性を引き出す2つの焦点
あなたは、部下の「仕事における価値観」や「大切にしていること」をすぐに答えることができますか?これらを把握していないのであれば、部下の主体性を引き出すようなマネジメントができていない可能性があります。メンバーそれぞれが主体性を発揮し、成果を出せるチームをつくるためには、業務マネジメントだけでは不十分です。では、一体どのようなマネジメントを行えばいいのでしょうか?重要なカギになるのは「内発的動機付け」。株式会社シンギュレイトの鹿内学氏に寄稿いただきました。
日々の業務管理を行うだけでは、成果の出せるチームはつくれない
「マネジメント」とは、直訳すると「経営」「管理」といった意味を持つ言葉です。「マネジメントの父」とも呼ばれるP.F.ドラッカー氏は、マネジメントについて 「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」 と定義しています。
マネジメントを行う側である、上司・マネージャーの役割は多岐に渡ります。「一体どうやったら組織を成長させられるのか…」と悩む方も多いことでしょう。なかでも、近年よく耳にするのが「部下の判断力・行動力を高めたい」「指示待ち社員から卒業してほしい」といった声。不確実性の高い、変化の激しい現代においては、 上意下達でのマネジメントではなく、メンバーの主体性を引き出せるマネジメントを実行していくことが、企業が生き残るカギ になります。
しかし、日々の業務マネジメントだけを遂行していても、メンバーの主体性を引き出すことはできません。私は、マネージャーが行うべきマネジメントは、2つに大別できると考えています。ひとつが「業務マネジメント」。そしてもうひとつが「ピープルマネジメント」です。
「業務マネジメント」は、目標に対する進捗やタスクの確認・共有、日々の仕事を進める上での課題や悩み解決といった、「業務」に関わる管理を指します。これらは、チームメンバーが揃った全体でのミーティングで行うのが適切です。全員が揃っている場で話をすれば、共有は1回で済みますし、課題への認識醸成も作りやすいでしょう。情報の偏りもなくなり、組織がオープンになるのでそれぞれの業務も進めやすくなります。
一方で「ピープルマネジメント」とは、メンバー一人ひとりのモチベーションやキャリア観と向き合うことで、成長を目指すもの。言い換えると、 メンバーに対する動機付けを促すのが主な内容 です。
とくに、人の内面的な要因によって起こる 「内発的動機付け」 は、仕事をする上でとても重要です。「人から何か言われたからやる」では、仕事へのモチベーションは続きません。内発的動機付けは自発的な動機付けのため、メンバーの主体性が引き出され、外的要因に関係なく行動が持続します。そして、能力開発や自己成長にもつながります。
パフォーマンスが出ていないチームの上司は 「業務マネジメント」ばかりに熱心になり、本来より重視すべき「ピープルマネジメント」がおろそかになっている 可能性があります。
では、具体的にどうやってピープルマネジメントを行い、メンバーの内発的動機付けを引き出していけばいいのか、解説していきます。
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