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連載:第22回 悩める管理職の方へ「マネジメントのススメ」

人が辞めない組織の絶対条件。デキる上司ほど陥りがちな「1on1」4つの落とし穴

BizHint 編集部 2025年3月26日(水)掲載
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今や7割近くの企業が導入していると言われる「1on1ミーティング」。しかし、実際には形骸化していたり、単なる進捗確認の場と化しているケースも少なくありません。「1on1を効果的に活用することで部下は育ち、業績は向上する。さらには、人が辞めない組織づくりも実現できる。」と語るのは、大手損害保険会社で部長職を務めながら、1on1ミーティングプロフェッショナルコーチとして企業支援をされている竹野潤さん。今回は、1on1が持つ「3つの目的」と、プレイヤー時代に評価されていた「デキる上司」ほど陥りがちな4つの落とし穴。そして、竹野さんが気づいた「人が辞めない組織」の絶対条件について詳しくお聞きしました。

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1on1ミーティングプロフェッショナルコーチ
日本産業カウンセラー協会認定 産業カウンセラー
竹野 潤さん

1972年生まれ。1995年静岡大学人文学部卒、三井海上火災保険(現三井住友海上火災保険)入社。2015年にマネジャー、2023年に部長職へ昇進。日本産業カウンセラー協会公認カウンセラー。著書に「離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング」(自由国民社)がある。


マネジメントの失敗から1on1を導入。そこで学んだ「人が辞めない組織」の絶対条件

――竹野さんは大手損害保険会社で2015年にマネージャーに就任され、率いていたチームを業績全国1位に導かれています。さらにその間、部下が一人も退職されていないそうですね。

竹野 潤さん(以下、竹野): ありがとうございます。ただ、最初からうまくいっていたわけではないんですよ。

僕は初めてマネージャーになったとき、業績の低い拠点に配属されました。それまで営業担当者として一定の評価を得ていたので、「自分のスキルやノウハウを若手に教え、業績を上げてみせる」と鼻息荒く着任しました。 「俺についてこい」というトップダウン型でチームをまとめようとしましたが、成果は上がらず。 結果、異例の「2年」で異動となりました。僕はここで、会社員人生最大の挫折を味わいます。そこが転機となり、 「自分のやり方は間違っていた」「変わらないといけない」と、マネジメントについて猛勉強 しました。

3年目からはトップダウンを辞め、 部下一人ひとりに寄り添って育成するスタイルに転換 しました。そして、 月に一度の1on1ミーティングを開始。 失敗を繰り返し、思考錯誤しながらも1on1のスタイルを築き上げました。 結果、部下一人ひとりが成長しただけでなく、モチベーションも向上し、統括していたチームの業績を全国1位に 導くことができました。その後も、県別マーケットシェア6年連続拡大など好成績を記録。そして、これには僕も驚いたのですが、 その間部下が一人も退職しなかった のです。入社年数の若い社員も少なくなかったので、新規大卒就職者の3年以内離職率が約35%とも言われるなか、なぜ離職者が出なかったのだろうと考えてみました。

そこで僕は、 人が辞めない組織に必要な条件が2つあると気づきました。 そしてこれは、 「1on1ミーティング」を実施していたからこそ実現できたこと だったのです。

――その「条件」とは、何でしょうか?

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