連載:第25回 リーダーが紡ぐ組織力
松下幸之助・稲盛和夫、二人の共通点に学んだ社長が貫いたたった一つのこと
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「組織づくりを思い返すと、歯がゆいことばかりでした…」桶屋から始まり、現在は水回り・リフォームを主事業とする名古屋の株式会社桶庄の5代目社長、佐藤寛之社長は、振り返ってそう語ります。自身のスキル・経験不足から「社内に居場所がない」中で、強烈なトップダウンが根強く社員が主役になれない組織の改善準備を進めていきます。根底にあったのは、自身の生き方への自問自答や、松下幸之助氏・稲盛和夫氏らの考えに触れ実現したいと考えた「理念」でした。そしてそれは2年連続赤字という危機を会社が乗り越える原動力にもなりました。その過程や、理念を浸透させる取り組みについて伺いました。
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株式会社桶庄
代表取締役社長CEO兼CHRO
佐藤 寛之 さん
「もし死ななかったら、こんな人生にしたい」遺書を書いて目が覚めた
――社長就任の経緯について教えてください。
佐藤寛之さん(以下、佐藤): 2014年と2015年に2年連続の大赤字に陥り、先代である父が倒れたことが直接のきっかけでした。それ以前から経営や社内の組織づくりなどは少しずつ進めていたのですが、そのタイミングから私が表に出るようになりました。
――家業にはもともと携わられていたのですね。
佐藤: 入社は2011年、29歳の時でした。ただ、大学を中退して入社するまでの8年ほどは、ずっと無職でした。
当社は明治5年(1872年)に桶屋として始まったのですが、私は幼少期から家業を継ぐように周囲から言われていました。しかし私は、それがどうしても納得できず、とくに両親とあまりうまくいっていませんでした。自分の将来を誰かに一方的に決められることが、とても嫌だったのです。それがこじれて大学を中退し、そのまま無職となりました。
無職の期間中、資格取得などにもチャレンジしましたが、なかなかうまくいきませんでしたね。
――そこから家業に入るまでに、何があったのでしょうか?
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バックナンバー (29)
リーダーが紡ぐ組織力
- 第29回 稲盛和夫氏からの“警告”で目が覚めた。経営者が守るべき、たった一つの原則
- 第28回 部下の主体性を引き出す「2つの役割」。自律型組織に導くリーダーに求められること
- 第27回 部下の主体性を引き出す2つの質問。老舗企業の“教えない”人材育成に学ぶ組織づくりの神髄
- 第26回 豆腐で400億・日本一。「数字でやる気はつくれない」と語る社長の勝ち筋
- 第25回 松下幸之助・稲盛和夫、二人の共通点に学んだ社長が貫いたたった一つのこと