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連載:第54回 組織作り その要諦

「人が辞めない会社」で急成長、業界日本一へ。貫くたった一つの行動指針が興味深い

BizHint 編集部 2023年7月6日(木)掲載
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昨今ブームとなっているキャンピングカーで日本一のシェアを誇る株式会社ナッツ。1996年に新規参入し、国内の年間生産台数約8,700台のうち、約1,100台を製造販売しています。同社の成長の背景には「社員が辞めない会社づくり」があると、代表取締役の荒木賢治さんは語ります。数年後には「1ヵ月の夏休み」が実現しそうなど、高い生産性と働きやすさを両立しながら、業界を牽引する組織づくりを伺いました。

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株式会社ナッツ
代表取締役 荒木 賢治 さん

1960年北九州市生まれ。1990年ナッツ創業。スポーツカーショップ、カスタムカーショップを経て、1996年にキャンピングカー業界へ。参入30年にして、生産台数1,000台強、売上高93億(22年度)というトップメーカーに成長。海外にも進出、中国、フィリピンに工場を構える。日本RV協会会長に21年就任。現在は『この国にキャンピングカーというカルチャーを!』を合い言葉に、日本に“くるま旅と車中泊文化”を根付かせるために日々奮闘している。


ビジョンはなかった。社員を確保するために必要だった、たった一つの行動指針

――貴社は1996年にキャンピングカーに参入し、シェア日本一へと急成長されています。一番の原動力は何なのでしょうか?

荒木賢治さん(以下、荒木): 一番ということであれば 「社員が辞めない」 。ここに行きつくと思います。

今の当社があるのはまさに社員のおかげですし、また近年は優秀な人材が入社してくれるようにもなりましたが、彼らが辞めずにずっと働いてくれていることこそが、当社の成長の原動力だと思います。

「社員が辞める」ということは、補充のための採用や教育に労力を割かれるということです。また、仕事を通じて身につけた力を自社のために使ってもらえないということ。

ですので、決して綺麗事などではなく、会社を成長させるために「社員が辞めない会社」「社員が長く働き続けたい会社」いわゆる「魅力ある会社」を作ろうと取り組んできました。それが結実した形です。

「社員が辞めずに活躍し続けてくれる」というのは、まさに生産性に直結します。わかりやすい例でいえば、当社は2年後には3週間の夏休みを予定していて、その後は欧米並みの「1ヵ月の夏休み」を実現できるところまできています。それだけ休んでも会社は回り、事業が成立するということです。

――どのようなビジョンで経営を進められたのでしょう?

荒木: いえいえ。ビジョンなんてありませんでしたよ。

30数年前に会社をはじめた時は雇用保険もなくて、社員が親から「保険もないような会社で働くな!」と怒られて辞めていくことだってありました。賞与は出ない、退職金もない、土日休みだってほとんどありません。

とはいえ当時、当社が位置する北九州の工業地帯周辺ではそういった会社は普通でした。当社だけがそのような状況だったわけではありません。

ただ周囲の状況はどうあれ、私が事業を続けるために最も重要な課題は「社員を確保する」こと。 ビジョン云々よりも「人を雇いやすい会社」「社員が辞めない会社」を作ることを目指す必要がありました。

これは結果的に間違っていなかったと思います。そして、そのために貫いた私の行動指針は、たった一つ。それは、

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