連載:第3回 変わる新卒採用
無料で誰でも使える適性検査が、より人物重視な採用と育成を可能にする【キャリアベース 越前谷さん インクルージョン・ジャパン 服部さん】(後編)
新卒を通年で採用する企業も増えていますが、まだまだ多くの人事担当者にとって新卒採用は最大のイベントになっています。応募者が殺到しすぎる企業、少なくて苦労している企業、そのどちらも、効率の良い母集団形成とミスマッチの少ない採用に苦慮しているはずです。無料の適性検査を提供することで新卒採用を支えている株式会社キャリアベース代表取締役の越前谷匡史さんと、キャリアベースに出資しているインクルージョン・ジャパン代表取締役の服部結花さんに、これからの新卒採用のあり方や適性検査のデータ活用などについてお話を聞きました。 後編では、適性検査のデータをひとりひとりが理解することによって可能になる将来を語っていただきます。
適性検査に正解はない! 素の自分を知る意味を伝える活動が大切
――人材に求める尺度を可視化し、傾向の合う母集団形成を可能とするキャリアベースの適性検査ですが、検査の結果の読み解き方にはリテラシーが必要ですよね?
越前谷:現在、学生向けセミナーを行っているのですが、学生は会社に自分を合わせなければならない、会社の求める人物像に沿って自分を作りこみ、アピールしなければならないと考えています。でも、それでは意味がありません。 適性検査には正解はありませんし、数値が高ければよいというわけでもありません 。本来の就職活動は、素の自分を知り、素の自分の強みを生かせる場を探すことです。我々はセミナーで、それぞれの生かしどころが必ずあり、そういった場を探すのが就職活動だということを伝えています。
――検査データが蓄積されると、業種業界によってフィットする人材の傾向が見えてくるかもしれませんね。
越前谷:まだ十分なデータがないのですが、たとえば私が前いた会社は状況受容力が低い、つまり、状況を受容しないで試行錯誤なんとかしようとする人が多い傾向があります。一方で、ある企業は、状況受容力が高い人が集まっていました。その会社は歴史ある企業・業界なのですが、そのような会社ではまずは状況を受容することから始まりますからね。
――優秀な学生が集まると考えられている会社でも傾向は異なるのですね。
服部:同じ営業でも、ウチの営業は関係性維持力が高いほうがいいとか、ウチはどんどん飛び込んでいく営業なので挑戦心の高さのほうが大切など、個社ごとの特徴も見えてくるはすです。データが集まってくると、細かな職種ごとに活躍できる人材のパターン化ができる可能性があります。
既存社員のデータを分析することから、戦略的な採用が始まる
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