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連載:第37回 組織作り その要諦

アメーバ経営10年で利益率は2倍に。役員を大減員、売上を減らしても進めた社員のための構造改革

BizHint 編集部 2022年2月3日(木)掲載
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「中小企業は仕組みがないところがほとんど」と語るのは、新潟県三条市に位置する小柳建設株式会社の三代目、小柳卓蔵さん。小柳さんが家業に戻った当時、社内はずさんな管理とオーバーワークが日常茶飯事…。この状況に危機感を覚え、「仕組み化」と「アメーバ経営」を進めていきます。結果、フルクラウド化や社屋の建替え、役員の入れ替えも経て、利益率は以前の2倍に。建設業界にDX革命を起こしたことでも注目を集める同社に、改革の道のりを伺いました。

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小柳建設株式会社
代表取締役社長 小柳卓蔵さん

1981年新潟県生まれ。金融会社に勤務後、2008年家業である小柳建設に入社。管理部門、総務・人事部門などを担当したのち、2014年6月社長に就任。稲盛和夫氏が提唱した「アメーバ経営」を導入するほか、伝統を重んじる建設業においてDXを推進。2016年には日本マイクロソフトと共同でMicrosoft HoloLens を活用し、建設業における計画・工事・検査の能率化やアフターメンテナンスのトレーサビリティを可視化する「Holostruction」のプロジェクトをスタートさせた。


売上偏重で受注過多。仕事が多すぎて休めない社員…

小柳卓蔵さん(以下、小柳): 当社は1945年、私の祖父が創業した会社です。新潟県を中心に、河川、橋、道路、トンネル、給排水施設といったインフラ関連の建設・工事事業を展開しています。また最近は、日本マイクロソフト社と共同で、3Dデータシミュレーションシステム 「Holostruction(ホロストラクション)」の開発も行っています。


3Dデータシミュレーションシステム 「Holostruction(ホロストラクション)」のイメージ写真

――貴社は建設業界におけるDXでも注目を集めていますね。しかし、小柳社長が入社された際は、今のような組織ではなかったのだとか。

小柳: 私が入社したのは2008年です。当時は売上も悪くなく、数字的には非常によい状態だったと思います。しかし、実際に組織の中に入ってみると、いろいろな問題点が見受けられました。

まず 「従業員数に対して売上が高すぎる」 という点。これは一見良さそうに見えますが、つまりは自社のキャパシティをはるかに超える仕事を受注していたのです。そのため、社員一人ひとりの業務量が膨大で、昼は工事現場で監督、そして夜は遅くまで書類作成…と、休みがまったく取れていない状況でした。

社員は口々に「お金も欲しいけど、それよりも休みが欲しい…」と言っていました。このような環境では、いずれ、若手はもちろん人財が集まらなくなると感じました。

そしてもうひとつの大きな問題点は、 仕事が完全に属人化されており、「仕組み」が全くなかったこと です。これは「自分が休むと仕事が回らない」、つまりは「社員が休めない」状況を作り出すもう一つの要因でした。

例えば、管理部門のベテラン社員。書類の綴り方一つとっても、その社員独自のやり方が染み付いていました。労務書類を探す際には、その人に「〇〇はどこにありますか?」と聞かないとわからない。その人がいなければ仕事が進まないわけです。これは非効率ですよね。

このような属人化は、社外に対しても同じでした。建設業界における最終的な納品とは、「書類」を発注者へ提出することを指します。しかし、この書類の書式も社員それぞれで違っていたので、「小柳建設」としての統一したものがありませんでした。

さらには発注業務も一元管理できておらず、それぞれの現場ごとで契約している状態。発注単価もバラバラです。誰かがチェックする仕組みにもなっていなかったんです。これでは、いつか情報漏洩や不正などの重大なコンプライアンス事件が起きる…と大きな危機感を覚えました。

こうした状況を改善するため、まずは 情報共有の仕組みと業務ルールを整備する。 その上で、 社員が皆やりがいをもって働ける環境をつくることこそが経営者の仕事である と、覚悟を決めたのです。

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