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連載:第13回 中竹竜二さんが聞く「伸びる組織」

美を追求するために“協業”する、京都西陣織老舗の大胆な挑戦

BizHint 編集部 2022年1月17日(月)掲載
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京都西陣織の老舗である株式会社細尾では、織屋と問屋を営んできました。近年では海外を中心としたラグジュアリーマーケットに向けて、西陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルを展開し、成長しています。社長の細尾真孝さんは「西陣織のDNAは美と協業と革新」と言います。美を追求するために、フラットな関係で“協業”をすることで、革新が生まれるのだとか。その本質について中竹竜二さんが聞きました。

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株式会社細尾
代表取締役社長 細尾 真孝さん

1978年、京都生まれ。大学卒業後、音楽活動を経て、大手ジュエリーメーカーに入社。退社後フィレンッェに留学、2008年に細尾に入社。細尾は西陣織の老舗で元禄1688年に創業。細尾氏は入社後、西陣織の技術、素材をベースにしたテキスタイルの海外展開に注力。2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成。国内外で伝統工芸を広める活動を行う。 2021年初の著書「日本の美意識で世界初に挑む」を上梓。


老舗の伝統産業は古くなることはデメリットではない

中竹竜二さん(以下、中竹): HOSOOのこの場所は素敵な空間ですね。京都の伝統的な美しさに加えて、現代アートの先端的な雰囲気もある。多面的な美を感じます。

細尾真孝さん(以下、細尾): 私どもは元禄1688年の創業の織屋です。約100年前の1923年、私の曾祖父の代に、織屋に加えて問屋業も始めました。今は北海道から沖縄までの日本全国の染織作家、工房の作品を全国の着物専門店、百貨店に卸しています。ここは55年前、問屋業の拠点として建てられたビルなのですが、様々な角度から染織文化を国内外に発信する拠点として2019年9月にフルリノベーションをしました。

1Fはストアとカフェラウンジ、2Fはギャラリー、3Fにはきもののショールームがあります。改築にあたり、設計・建築はゼネコンに一括発注するのではなく、左官や鍛治職人、金箔の職人など、多くの職人と協業してつくりました。美術館のように、多くの人がクリエイティブなインスピレーションを得る場所になればと思っています。


京都烏丸に位置する細尾のショールーム、HOSOO FLAGSHIP STORE

改築の際には多くの方から「なぜそこまで、時間とお金をかけてつくるのか」「もっと効率的につくった方がいいのではないか」と言われました。しかし美を上位概念に作っていくと、効率的ではなくなってくるのです。

様々な職人達が、協業して、工芸的につくる建物は圧倒的に美しく、また時間が経ってもより美しさを増していきます。それこそが弊社の企業哲学である「工芸が時代をつなぐ」を体現したものであると考えています。またこの社屋は、織物文化を世界に発信する場であり、社員の教育、リクルーティングにも貢献してくれています。

そもそも、伝統工芸は古くなることがマイナスになりません。10年、20年、30年と時間が経つほど、味わいが増していきます。「経年劣化」ではなく「経年美化」があります。最近、企業活動では、エコロジー的な発想が大切と言われますが、日本には「良いものを長く大事に使う」考え方があります。この建物は、そうしたフィロソフィーをも具現化する場にしてきたいと思っています。

社内の反対、業界の反発があっても突破できるのはなぜ

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