連載:第7回 経営・SaaSイベントレポート2021
部下の自発性を高めるポイントは“問い”にあり⁉ 1on1や現場でも使える「良質な問い」3つの観点
会議で自ら発言してくれない、現場で解決できるような小さな問題も全て相談しにくる、自分の意見は言わずいつも上司の顔色を伺うような行動をしている…など、「部下が自発的に動いてくれない」ことに悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。それは、上司やマネージャーの「問い方」次第で解決できるかもしれません。今回は、株式会社クエスチョンサークル代表取締役の宮本寿さんに、変化の激しいVUCA時代に求められる自走型組織の重要性と、1on1や現場で活用できる良質な「問い」のポイントについて解説いただきました。
株式会社クエスチョンサークル
代表取締役 宮本 寿さん
大学卒業後、株式会社学生援護会(現パーソルキャリア)に入社。求人広告の提案営業などに従事した後、株式会社リンクアンドモチベーションにて主に成長ベンチャー企業の組織開発支援を、株式会社グロービスでは大手企業の人材育成設計などに従事。その後株式会社メロスパートナーズを設立し、ベンチャー企業の組織開発プロジェクトや経営・マネジメントへのアクションラーニングコーチとして活動。2019年に株式会社クエスチョンサークルを設立。現在は「クエスチョン思考」と称した思考法の体系化や普及を通じて、クライアント企業の組織開発やビジネスリーダーの支援型リーダーシップ開発を支援している。
VUCA時代に求められるのは「自走型組織」と「支援型リーダーシップ」
VUCA(ブーカ)という言葉を聞いたことがありますか? 現代のカオス化した経済環境を指す言葉で、一言でいうと「予測不能な状態」を意味します。
特に昨今のコロナ禍による働き方の変化は、チームやメンバーのマネジメントにおいても変化をもたらしました。このような状況下において、従来のトップダウンのように上司の指示命令を受けて現場が動くといった「指示待ち組織」では、変化に対応できずせっかくのチャンスを逃しかねません。VUCA時代においては、 社員自らが考えて主体的に行動する自走力を持ち、現場に分権しながら前に進んでいく「自走型組織」が理想的 です。
では、「自走型組織」とは、具体的にどのような機能を持った組織なのでしょうか? 以下の図は、自走型組織と指示待ち組織の比較をしたものです。
指示待ち組織では、経営や上司が持っている答えを現場が実行するので、部下は上司の指示を待ち、上司の顔色を伺う関係になりやすい。一方、自走型組織では部下や現場の中に答えがあるので、メンバーは自分自身や現場から答えを探します。
自走型組織に必要なのが、 上司が部下を支援する「支援型リーダーシップ」 です。例えば、部下が自分で答えを探す手助けを行うため上司が問いを投げかけたり、部下が自分で見つけた答えを実行する際に上司がサポートしたり…といったものです。この支援型リーダーシップが発揮されている自走型組織では、自走や自己成長のカルチャーが育まれていくのです。
では支援型リーダーシップを発揮し、自走型組織を作り上げるためのカギは何なのでしょうか。それは、上司が部下に投げかける「問い」です。
「良い問いかけ」をしないと「良い答え」は得られない
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