連載:第3回 経営・SaaSイベントレポート2025
「自主性」と「主体性」の違い、わかりますか?部下が変わる1on1、上司が知るべき3つの極意


現在、世界中で毎日最大5億回もの1on1が実施されていると言われており、多くの企業で制度として定着した1on1ですが、実際の現場では「苦痛」「何を話せばいいかわからない」という声が後を絶ちません。25年以上にわたり経営陣や管理職へのコーチングを実施してきた株式会社コーチ・エィの鈴木義幸会長は、1on1の目的は「部下の主体性を高めることであるべき」だと語ります。上司・部下ともに苦痛の時間から抜け出し、本来の目的を達成させるためにはどうすればいいのか?その3つのポイントを解説いただきました。

上司と部下、それぞれの本音から見える1on1の課題
多くの企業で制度として定着した1on1ですが、実際の現場で聞こえてくるのはネガティブな声が多いのが実情です。
上司の方々、一度はこんなふうに思ったことはありませんか?
・毎回何について話すかを考えるのが苦痛
・「特に話したいことはないんです」と言われたときに焦る
・ダメだとわかっていてもつい自分の話をしてしまう
・つい指示命令やアドバイスをしてしまい、終わった後に自己嫌悪に陥る
・質問しても、部下が一言二言ほどしか答えてくれないので困ってしまう
・1on1がどうなればうまくいっているのか、結局わからないので常にモヤモヤしている
一方で、部下側からもこんな声を聞きます。
・忙しい中で実施している1on1なのに、「最近どう?」と雑談をされ、何の時間なのかわからない
・「どう思う?」と意見を求められて答えたのに、「それは違う」と頭ごなしに否定される
・言いたくないプライベートの内容に強引に触れられる
・「俺のときは…」「前の会社では…」という口癖の上司にうんざりしている
・こちらの意見を聞いてもらえず、上からのアドバイスや主張ばかり
・30分間、進捗確認や業務報告だけで終わる
これらの声を整理すると、1on1の課題は大きく3つに集約されます。
- 上司も部下も何について話したらいいかよくわからない
- 上司はアドバイスをする、部下はそれを聞く。それ以外のコミュニケーションを構築できない
- どうなれば成功なのかのイメージが湧かない
日々多くの1on1が実施されているにもかかわらず、なぜこのような状況になってしまうのでしょうか。その背景には、1on1の本来の目的についての理解不足があると考えています。
今組織が求めているのはどのような人材でしょうか。私は日頃、多くの経営者に接する機会がありますが、ほとんどの方が、 自分で考えることのできる人、つまり「主体性の高い人」 だと答えます。環境が激変する中で前例が通用しない今、自ら環境に働きかけていき、変化に飲まれるのではなく、自分から変化を作り出していけるような人材が必要とされているのです。
だとすると、 1on1の目的は「部下の主体性を高めることであるべき」 ではないでしょうか。
今日は、部下の主体性を高める1on1のポイントを3つご紹介します。これらを実践することで、上司・部下それぞれが苦痛の時間から解放されるでしょう。
ここから順に解説してきます。
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