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連載:第11回 自社だけで悩まない!専門家に相談してみよう

後継者になり干され、退職、起業。生産性を上げる税理士法人はこうして生まれた。

BizHint 編集部 2021年9月14日(火)掲載
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税理士事務所の後継者として入所後1週間。事務所の改善提案をしたら、窓際族になってしまった…。目指したのは「お客様を守る」こと。理不尽な旧習や身内の論理に立ち向かい社内改善に奔走するも、結実することなく退社を迎え、自身が目指す事務所を設立したのが税理士法人ストラテジーの園田剛士さん。思いを同じくする同志・加悦秀樹さんや、システム戦略家・大瀧龍さんとの出会いが、お客様の経営全般を支援する事業づくりにつながっていきます。その紆余曲折を聞きました。

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税理士の使命に「お客様を守る」はない

――貴社の事業について教えてください。

園田: 当社は税理士法人ですので、基本的には税理士業務を行っています。ただ、一般的な税理士法人と異なる点があるとすれば 「お客様の生産性を高める。経営をサポートする」ことを目指している 点かと思います。

税理士の使命については税理士法の第一条に規定されていますが、「生産性」という言葉は一切出てきません。税についてのみです。したがって、一般的な税理士事務所が税に関する業務のみを手掛けていること自体は、ごく自然なことです。

当社は、私が常々「お客様を守りたい」と考えていることや、私自身の土壌が公認会計士であることから、一般的な税理士事務所より広範なサポートを行っています。公認会計士の使命として、「国民経済の健全な発展に寄与する」と公認会計士法にあるとおり、お客様の発展への貢献を重視しています。

――起業の経緯について教えてください。

園田: 当社は2017年に起業しました。それ以前、私は熊本にある税理士事務所の後継者という立場でした。ただ、 後継者として入社したものの、1週間で干されて窓際族となってしまい…。 そこで思いを同じくする同志・加悦と出会い社内改革に奔走しましたが、それを果たすことができず退職。加悦とストラテジーを起業するに至りました。

――その税理士事務所には、後継者として入られたのですよね?

園田: 私は公認会計士の資格取得後、東京の監査法人で8年ほど働いていました。監査法人では大企業をはじめ、多くの企業の成功や失敗をたくさん目にしました。そこで私は 「どういう企業が失敗するのか」「どういう企業が成長していくのか」といったことを、自分なりに判別できる ようになりました。これは、今の仕事や価値観に通じる貴重な経験でした。

ある日、母の遠い親戚にあたる熊本の会計事務所の所長から「事務所の後継者になってほしい」とお声がけを頂きました。その会計事務所としては「他人ではなく、身内に事業承継したい」という想いがあったようです。遠戚とはいえ、私が身内で公認会計士だったことから来た話でした。5年ほど調整を重ね、最終的には熊本に戻ってその事務所に入ることを決意しました。

――決め手は何だったのでしょうか?

園田: 理由として大きかったのは、 子どもの頃から目指していた「馬主(うまぬし)になる」という夢 です。「ダービースタリオン」というゲームに出会って以来、競馬にハマり、中高、そしてそれ以降も競馬三昧でした。

馬主になるにはJRAが定める条件があり、資産と収入の基準をクリアする必要があります。将来的には、そのための起業を考えていましたが、ゼロから売上を作るよりも、地盤のあるところからスタートしたほうがリスクは低いと考えたのです。

実は、若い頃にも起業して馬主を目指したことがありました。その時は、自分で引いたラインをクリアできず一度断念し、その後のリスタートとして、公認会計士の資格取得につながります。人生、わからないものですね(笑)。


税理士法人ストラテジー 代表者 園田 剛士さん

干された理由は、旧習を見直す改善提案

――とはいえ、後継者として入所して、なぜ干されることに…

園田: 入所後1週間くらいだったと思います。事業承継を前提に入所していることもあり、監査法人での経験を踏まえ、業務改善の提案書を所長に提出しました。仕事や経営に対する自分の信念も合わせて、Wordで6~7枚にまとめました。

社員の冷遇は優秀人材の退職につながること、産休・育休が未整備では女性が活躍できないこと、さらには女性が妊娠した場合は退職するのが暗黙の了解になっていたことへの問題提起など。他にも、 何十年も前から変わらない旧態依然とした価値観や働き方について、改善を進めたいという内容 でした。

これが、生意気と映ったようでした。

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