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戦略・経営

2018年4月16日(月)更新

サトーHD江上氏・首都大 西村氏による「戦略人事における人材戦略と人事体制構築」(講演レポート)

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バーコードプリンターなど自動認識技術を使った産業用プリンターメーカー最大手のサトーホールディングス株式会社は、グローバル展開を進め、2020年までに海外売上高比率を現在の37%から50%まで引き上げるというビジョンを掲げている。同社で人事体制のグローバル化というミッションを担い、新たな体制づくりに乗り出したのが2015年に同社のCHROに就任した江上茂樹氏だ。江上氏のプレゼンテーションをもとに、戦略人事の実践はどうあるべきかを、首都大学東京大学院の西村孝史氏と共に考察していく。

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【登壇者】

サトーホールディングス株式会社 執行役員 最高人財責任者CHRO 江上茂樹氏

首都大学東京大学院 社会科学研究科 准教授 西村孝史氏


(本記事はビズリーチ主催 Pro Recruiter Conference2017の講演レポートです)

日本型人事からグローバル人事への転換を経験

セッションは江上氏によるプレゼンテーションから始まった。タイトルは「戦略人事における人材戦略と人事体制構築 ~私の人事屋としてのチャレンジ~」。江上氏は新卒で三菱自動車工業株式会社に入社。工場人事に配属となり、人事一筋のキャリアを歩み、人事関連の実務はほぼ全分野を経験したという。海外勤務には縁がなかった江上氏だったが、2003年に自部門が外資系企業(ダイムラーAG)に買収されたことを機に、ドイツ人上司の下、外資系人事への転換を経験することとなった。

「ある日突然外資系になった」ことで、社内のコミュニケーションに英語が必須となったほか、意思決定のプロセス、目標設定や評価、マネジメント方法など全てが変わり、社内は大きく混乱した。江上氏は「これまで新卒から“純粋培養”されてきた社員で構成されていた組織は、突然、さまざまな国籍、背景を持った多様な社員の集まりとなりました。ダイバーシティといえばそれまでですが、落ち着くまでは、本当にさまざまなできごとがありました」と語る。

当然ながら、人事部門にも大変革が求められた。「階層(グレーディング)、幹部の給与、幹部の教育など、多くのことをグローバルに合わせていかなければなりませんでした。また、マトリックス組織への対応も難しかったです。私の1番目のボスはドイツにいるグローバル人事のヘッド、2番目のボスは日本の社長ということになり、板挟みになることもしばしばありました」

©2017 サトーホールディングス 江上茂樹

人事部門の組織構造は、勤労、給与、採用など、縦割りの「製造業型人事モデル」から、HRビジネスパートナー(HRBP)が窓口を務める「グローバル人事モデル」となった。そこで江上氏が学んだのは、人事が価値を提供していく際、社員・職制に対して、HRBPが「1つの窓口」を提供する「HRビジネスモデル」の考え方であった。「HRビジネスモデル」とは、人事部門の役割を、ビジネス部門の戦略的パートナーである「HRBP」、企画などを行う「センター・オブ・コンピテンス」、給与計算などを行う「シェアードサービス」といった3つの役割に分解したモデルである。

2010年から5年間、人事担当常務・人事総務本部長を務めた江上氏は、人事部門の責任者としての仕事をする中で、「人事部門の役割とは何か」ということをきちんと認識しておく必要性があると考えるようになったと話す。「昔の人事は『手続き』をきちんとするのが仕事でした。しかし、今は違うように思います。最終的な目的はビジネスの成功、そして会社の持続的成長。そのためには、人とチームが必要です。人、チーム、そして会社が強くなるために人事として何ができるのか。この部分を外さないようにしないと、危ういのではないかと感じています」と語る江上氏。また、こうした目的を念頭に置くと、「給与計算や勤怠管理などのオペレーショナルな仕事、手続き的な仕事は必ずしも社内でやらなくてもよいのではないか。また、ルールを決めて一律で管理するような管理型でいいのだろうか」といったことも疑問に思うようになったという。

人事の役割を問い直し、人事部門の組織を改革

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