close

はじめての方はご登録ください(無料)

メニュー

BizHint について

カテゴリ

最新情報はニュースレター・SNSで配信中

連載:第5回 プロリクルーターカンファレンス講演レポート

「ピープル・アナリティクスが変えるこれからの採用」【PwCコンサルティング北崎茂氏】(講演レポート)

BizHint 編集部 2017年4月11日(火)掲載
メインビジュアル

企業にとって、最優先課題であるキーパーソンの採用。人事部には、経験や感覚のみではなく、企業のビジョンや経営戦略に基づいた採用根拠にしたがってキーパーソンを見抜くことが求められている。新たなテクノロジーであるピープル・アナリティクスは、これからの採用にどのような変化をもたらすのか。PwCコンサルティング合同会社 組織・人事コンサルティング ディレクターの北崎茂氏を招いて、ピープル・アナリティクスの最新事情を考察した。

メインビジュアル

【登壇者】

PwCコンサルティング合同会社 組織・人事コンサルティング ディレクター  北崎 茂氏


(本記事はビズリーチ主催 Pro Recruiter Conference2017の講演レポートです)

日本でも注目されはじめたピープル・アナリティクス

北崎氏は、「ピープル・アナリティクスという言葉を知っている方は手を挙げてください」と、ピープル・アナリティクスの認知度を確認するところからスタートした。会場内で挙手をしたのは、約半数。

「2年前のセミナーで同じ質問をしたところ、手が挙がったのは1割弱でした。アナリティクス自体は、2010年ごろから欧米を中心に注目を集めるようになり、R&Dやマーケティングなどの分野では広く活用されてきましたが、人事の領域においても2014年ごろから急速にピープル・アナリティクスという概念で注目されるようになったのです」と明かした。

人材・人事・採用という領域の中で、アナリティクスはどのように活用され、どのような変化を及ぼしていくのだろうか。

出典(PwC資料)

北崎氏は、2014年に発表したPwCの調査結果、「CEOの人材情報の活用に関する満足度」において、 日系企業での人事のデータ活用レベルはアジア先進国で最下位 だったことを示し、その理由をひも解いていく。

「他国では、多様なバックグラウンドを持つ社員が存在するため、数字を用いたコミュニケーションが機能しやすい状況にありました。それに対して、日本企業は、日本語を母国語とする社員が多く、バックグラウンドも類似した同質性が非常に高い環境下にあったため、数字やデータ解析に基づくコミュニケーションよりも、『あうんの呼吸』という言葉にも代表されるような、暗黙的かつ間接的なコミュニケーションに頼ってきたことが、こうした結果につながったと考えられています」

人事分野にアナリティクスが求められるようになったワケ

ではなぜ、人事分野にピープル・アナリティクスが求められるようになったのだろうか。北崎氏は、まず「ピープル・アナリティクス」についてあらためて説明した。

「ひとことで言うと、アナリティクスとは、過去のデータをパターン化して将来を予測することです」

例えば、インターネットショッピングのレコメンド(好みにあった物品・サービスが推薦される)機能は、アナリティクスの技術を活用しており、購入者の購買パターンや、好みが似た購入者の購買パターンを分析し、「きっとこういうものを買う可能性が高い」という情報を導き出す。

出典(PwC資料)

「採用や人事の世界にアナリティクスを当てはめると、例えば、今まで会社で長く働き続けた人、内定を辞退した人、ハイパフォーマー、ローパフォーマーをさまざまな角度から分析し、どういう傾向の人を採用するといいのかを統計的に出すことができます。これが、ピープル・アナリティクスの一例です。日本では、特に新卒採用にマッチしやすいと考えられています。新卒採用は大勢を対象としたマス・オペレーションなので、データ解析による効果が得られやすいのです。実際に、新卒採用において、面接官の判断に依存している部分をピープル・アナリティクスでなんとかできないかという企業様からのご相談も、近年、急速に増えています」

北崎氏によると、人事データ活用には5段階のレベルがあり、「過去から現在の状況を知る」という考え方から、「過去から未来を予測する」という考え方にシフトするレベル4やレベル5が、ピープル・アナリティクスの領域なのだという。

レベル1 単年集計

例:「内定者のうち何人が入社したか」がわかる

レベル2 経年比較   

例:「内定者が前年度と比較して増加(減少)したか」がわかる

レベル3 ベンチマーク比較   

例:「自社の内定率は、他社と比較してどれくらい良い(悪い)か(競争力)」がわかる

レベル4 要因分析   

例:「内定者のどの属性が入社要因になったのか」が定量的にわかる

レベル5 予測分析・自動判断   

例:要因を式にして、未知の人の「会社に残る確率」や「ハイパフォーマーになる確率」がわかり、意思決定をサポートできる

「不確実性が増す時代において、いかに先を読んで手を打っていけるかが競争優位の価値になる時代になりつつあります。事業モデルが固定的で市場に変化がない場合は、経験値が生きる。しかし、予測し得ないことが起こる時代には、頭のなかにデータベースが存在しないので判断が難しくなります。面接官が、新たに外国人を採用する場合などはその一例といえるでしょう。ピープル・アナリティクスは、過去のデータから統計的に分析して、意思決定をサポートすることができるツールなのです」

この記事についてコメント({{ getTotalCommentCount() }})

close

{{selectedUser.name}}

{{selectedUser.company_name}} {{selectedUser.position_name}}

{{selectedUser.comment}}

{{selectedUser.introduction}}