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戦略・経営

2018年4月16日(月)更新

 日本企業においてプロ・リクルーターの必要性が高まっている。横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院 准教授の服部泰宏氏は、そのニーズの高まりを3つの観点から分析。さらに、リクルーターのキー・コンピテンシーについても、調査研究から明らかにした。そして、モデレーターの株式会社ビズリーチ 取締役 キャリアカンパニー カンパニー長である多田洋祐が、プレゼンテーションの内容について掘り下げた。後編ではトークセッションの様子をお伝えします。

(2017年2月22日開催 Pro Recruiter Conference2017(主催:ビズリーチ)の講演レポートです。)


【登壇者】

横浜国立大学大学院 国際社会科学研究院 准教授 服部泰宏氏

株式会社ビズリーチ 取締役 キャリアカンパニー カンパニー長 多田洋祐


日本企業の採用は、一層の多様化を示す

多田 :私は12年にわたって人材業界に身を置き、ヘッドハンターやエージェント、人事本部長などさまざまな職種、職位で働いてきました。さきほどのプレゼンテーションで、「不確実性が高まり、採用の難度が上がる」とおっしゃっていましたが、その理由を教えてください。

服部 :新卒採用は、何月に解禁になるかが毎年違います。中途採用は、外国企業の参入、日本企業の外国への進出、ダイバーシティの重要性など、考えなければいけないファクターが多くなっています。それらが不確実性のもととなっています。

多田 :経済の変化に順応しなければいけないということですね。服部先生は、ドイツなどをフィールドに研究されていますが、プロ・リクルーターの育成について、日本は経済先進国の中で遅れているのでしょうか?

服部 :はい、遅れているといえます。近年になってやっと、経営者が人材採用担当者の育成が大切だという点に気付きましたよね。一方シンガポールでは、昔から「1人を採ることが自社にいくらもたらすか」という価値で採用を考えていました。

多田 :海外の先進的企業と日本の企業との差は早々に縮まっていくものでしょうか?

服部 :差は、ある程度の期間で縮まっていくでしょう。日本でも、株式会社サイバーエージェントのような影響力のある企業が採用戦略を示し始めているからです。ただ、日本企業が全体的にどう変わっていくかを予測することは難しい。自社でアレンジするなど、かなり多様化していくのではないかと予測されます。

採用が重要な経営戦略であることを経営層へ発信

多田 :採用について、変えたくても変えられない歯がゆい企業もあるのではないかと思います。採用をドラスティックに変えた企業の事例があれば教えてください。

服部 :先ほどご紹介した三幸製菓の事例について、もう少し詳しくお話しします。一括採用から脱却するために、人事部が動き、経営者を説得しました。成功の秘訣は、地方企業やベンチャー企業では、専属の採用担当者は良くも悪くも採用と育成を一緒に担うことが多く、人脈も集中しやすく在任期間も長いため、人材育成を点ではなく線で進めていけたのです。

多田 :経営者を説得するポイントはどんなことでしょうか?

服部 :経営者がどんなことで納得するタイプなのかを把握しておくことが重要です。ロジカルなのか、情なのか、情とロジカルのブレンドに動くタイプなのかを確認するのです。次に、社内のキーマンを味方につけていくこと。例えば、これまで「新卒一括採用で採ってから、会社の色に染めていくことが重要だ」と言っていた経営者を180度転換させた企業では、営業部長を巻き込んでいました。社内政治的な部分で調整を行うといった泥臭いことも重要だと思います。

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