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連載:第1回 新規事業の作り方

新規事業を生み出している会社は、何が違うのか?【インキュベータ・石川明さん】 (前編)

BizHint 編集部 2017年4月13日(木)掲載
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リクルート社で7年間新規事業開発室のマネジャーを務め、社内起業提案制度「New-RING」の事務局として1000件の事業案に携わってきた石川明さん。新規事業インキュベータとして独立後も、大手企業を中心に事業の創出を後押ししている石川さんに、新規事業が育つ企業の特徴、創造型人材の育て方について伺います。

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事業とは、世の中にある不平や不満、不安、不足、不便など、あらゆる“不”を解消すること。新規事業も同様で、どこで誰が何に“不”を感じているのかを探し、それをどう解消するかを取っ掛かりに事業の可能性を探っていきます。

今回お話を伺ったのは、新規事業インキュベータで、株式会社インキュベータ代表取締役の石川明さん。リクルートの社内起業家として「All About」社を創業し、10年にわたり責任者を務めてきた実績を持ち、現在に至るまで100社、1700案件、3500人の新規事業や企業内起業家に携わっていらっしゃいます。近著『新規事業ワークブック』(総合法令出版)でも、ゼロから新規ビジネスを考えて社内承認を得るまでのメソッドをまとめています。

そんな石川さんに、新規事業に成功する企業と失敗する企業の差、創造型人材の育て方について伺いました。

前編では、リクルート社における事例を踏まえながら、新規事業を立ち上げるためのポイントをご紹介します。

終始一貫したトップの発言が新規事業の立ち上げを進める

新規事業が立ち上がる企業と、アイデアを募るだけで一向に立ち上がらない企業。さまざまな企業において事業創出のお手伝いをしていくなかで、確かにその二極があることを実感しています。その二極の違いを論じる前に、まずはトップのあるべき姿をお話ししましょう。

経営トップは、折に触れて「わが社はこういうことをやるぞ」ということを明言すべき。ドメインやビジョンといった言い方もしますが、たとえばトップ以下経営陣が「わが社は新しいチャレンジを推進していく」とこまめに発信していれば、事業アイデアの発案に対するハードルも下がるはずです。

しかしトップの発言があいまいだと、中間管理職層が「あの発言はこういう意味に違いない」と深読みをはじめ、どちらかといえば無難な方向へとブレーキをかけがちです。私の過去の経験では、中間管理職に比べてトップのほうがむしろ大胆なことが多いですね。

何がOKで何がNGなのかを明確に

社員から事業アイデアを募りたいのであれば、フェアウエイ、もしくはOBゾーンを明確に掲げることが大切。フェアウエイは「この範囲であれば何を検討しても構わない」というメッセージ、OBゾーンは、たとえば「わが社はBtoBは検討しない」などといった範囲外のメッセージで、いずれもトップが明示すべきことです。ちなみに私も、新規事業創出プロジェクトに入る前には、必ずその企業のフェアウエイとOBゾーンを確認することで、企業側の意思を咀嚼するようにしています。

そしてもうひとつ、トップの意思と現場の人事との整合性も重要です。チャレンジを推進する一方で失敗をした人材を閑職に追いやっているようでは、決して社員から良いアイデアが上がってくることはありません。

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